【感想・ネタバレ】屑の結晶のレビュー

あらすじ

女性二人を殺したとして逮捕された小野宮楠生。逮捕後「誰を殺そうと俺の自由だろ」と開き直る供述をし、身柄送検時には報道陣にピースサインをして大騒動となった。この「小野宮楠生を救う会」から依頼され弁護を引き受けることになった宮原貴子は、小野宮と接しているうちに独特の違和感を覚える。違和感の根源は何か、そして、小野宮は女性二人を殺した真犯人なのか――。総毛立つラストが待つ傑作!

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ネタバレ

屑の結晶…なるほどー、屑だねーって…
屑じゃねーし!
とても楽しめました。こないだ他の作品で感想書いた気もするけど、今年1番かもー。
ありきたりだけど、点と点が繋がってく感じとか好きです。
こーゆー感じが好きなのかなと、認識させられた作品です。

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2025年06月14日

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ネタバレ

最後は、まさきさん作品らしくもやもやが残りました。
楠生は、ずっと子供のままの楠生で、ある意味純真無垢なまま大人になってしまったんだなと楠生の人生を思うと切なくて愛おしかった。うーん、出会ってしまったら救う会のメンバーになっていたかもしれないな笑
真美と母の物語がどちらかというと、今までのまさきさんの作品らしく感じたが、今回の楠生をめぐる物語も今までと違う感じがしてとても良かったです。
貴子先生の判断は正しかったのか分かりませんが、貴子先生もまた楠生の思いに影響を受けたのではないだろうか。

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2025年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全体の雰囲気としては「白夜行」シリーズっぽくて、これまで読んだまさきとしか作品の中では読後感がいちばんよかった。
主人公の女弁護士の熱さがあまり伝わってこなかったのはちょっと残念だったが、ラストのどんでん返しのタイミングもちょうどよかった。

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2025年05月18日

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ネタバレ

まさきとしか、すきやなあー。はー。このどっしり胸にくるこの読後感が…何がどっしりきてるのか、今の気持ちを上手く言語化できないんだけど。読み始めはサラサラ進んでたのに、途中からもう、どっしり。
幽霊の子、楠男…。
正直…楠男は悪くない!って思ってしまう。(いや、フィクションだからね、ひとごろしを擁護するつもりは微塵もない)でも、灰色の世界から救われていい人だよね。楠男にとって自分を救う方法が、約束果たすことだった。更生できるチャンスのない世の中が悪い…子どもは誰一人悪くない…いつも悪いのは大人と世の中…って思ってる私はある意味クズ女なのか?笑
いくら想像しても足らない痛みと一緒に生きてきたのに、やっと約束も果たしたのに、宍戸真美がもう生きていない世界をこれから楠男は生きていかないといけないのか…それって一体どんな…それが人を殺してしまった楠男への罪なのか…
p.s.楠男のお父さんは事故よね、、

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2024年03月22日

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ネタバレ

このタイトル(屑の結晶)と、漫画風絵のニヤついたイケメンの表紙。外観だけでは絶対に手に取らない本なんだけど(一見すると極道もの、裏社会ものに見える)、まさきとしかさんの本だから手に取りました。
まさきとしかさんは、それくらい信頼できる作家さんだ。この人の書くものならきっとおもしろい!と思える。

れは…序盤では絶対に真実は分からない。
最初のくすおの人を馬鹿にした態度と「クズ女」と呼ばれるくすおの親衛隊女性達が嫌すぎたのと、主人公の女性弁護士に感情移入しすぎて、依頼者にこれ言われたら私なら夜も眠れないわ…と思うと、あーこれは無理かも、なんて思ったりもしました。
ただ、少しずつ時間の全貌が見えてくるころには、もう読むのを止められなかった!

少年と少女の、幼い頃の約束。本当は果たされてない約束を、果たされたものと信じてしまったら。
そして、やはり絡んできますね、母親が。
まみの母親が病院で泣き崩れたシーンは、妙味があるなぁと感心した。支配する母親にも、我が子への愛情はある…というか、自己愛と子への愛の区別が本当についてない、子を自分と同化してるから、失ったらどうしよう!という母親の悲しみは本心なんだと私は思ったよ。
かといって、本当は親に愛されていたのに!まみは親の愛に気づいてなかったのか!怒、という話では全然なくて、親の愛=支配だから、やはり子どもが苦しむのは当然なのだ。
こういうことが、ぶわーっと押し寄せるあの描写。
大きな事件なのに、動機がささいなことや思い込みだったというのも、親の支配から逃れられず、いつまでも心が大人になれないまみと、社会から隔離されすぎて常識が通用しないくすおらしさというか。
動機の奥にある、親という闇、心を解放できず目先の「怒られないこと」ばかり気にしているアダルトチルドレンの悲壮。
物語の構成も凝ってて、とてもおもしろかった。

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2024年01月11日

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ネタバレ

メインになる登場人物みんなうまく掘り下げられているから語り出すと長くなってしまいそう。

貴子の弟が過去に自殺したという設定がより一層物語を切なくさせているように感じだ。

登場人物みんな、とても多面的で奥が深い。
普段テレビや新聞で報道されて適当に聞き流している事件にもこんなふうにさまざまな事情が絡み合っているのかもと思わされた。

楠生にとって真美は全てだったけど真美にとってはそうじゃなかったのが切ない。
でも楠生は見返りなど求めていなかったからそれで良かったのに、あまりにもやりきれない結末。

楠生も貴子も死ぬまでに少しでも笑える出来事があったらいいのにと願わずにいられなかった。

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2023年08月16日

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ネタバレ

主人公の弁護士さんと一緒にモヤモヤしながら読み進めました。徐々に真実がわかる感じが面白かったです。

しかし、、、家庭環境が及ぼす影響って大きいなと考えさせられた。明らかに不幸な生い立ちの楠生だが、先に殺人を犯したのは、一見幸せそうに生きていた真美。真美の親も、実はいわゆる毒親。

最悪な結末だけれど、少しでも希望が見えて欲しいと強く願うラストでした。

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2023年06月17日

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ネタバレ

かけちがったボタンのような気持ちのまま、読み終えた。
父を殺してもらえたと思い込んでなんとしてでも宍戸の役に立ちたくて生きてきた小野宮。
母の影に怯え、都合よく小野宮を利用した宍戸。

2人が2人を思い合った結果生まれた犯罪なんかではなく、ただただ小野宮が宍戸にいいように使われただけの事実。なんとも皮肉で悲しい結末。

それでも小野宮はきっと約束を果たせて満足してるのだろうなと思うと、なんとも言えない。

後味の悪さが尾を引く小説だった。
誰が救われたのだろう、と思わずにはいられないラスト。

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2024年11月19日

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ネタバレ

女を2人殺したと話すクズ(小野宮楠生)を弁護する宮原貴子。
彼女が調べるうちに、全ての言動がただただ小野宮の宍戸に対する一途な愛を表していたのだと知ると切なくて苦しい。
守りたかった宍戸も、利用していただけの吉永に殺されて。彼女を守るために貯めたお金も、結局は宍戸を苦しめていた母の手に渡ってしまった
世界に色を見せてくれた宍戸を失った彼の生きていく理由はあるのかな。彼女の罪を被って最後まで服役することが生きる理由になったとして、その後は?小野宮の気持ちだけが何年も宙ぶらりんで、このあともたった一人残されて。こう書いている私も、最初に宮原が警戒していたように、小野宮の虜になっているのかもしれない。

登場人物の視点で描かれるパートが所々挟まっているのが魅力的。それぞれの登場人物の心の動きがグサグサ刺さる。

出てくる人物が皆1人ぼっちなのが切ない。

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2024年01月30日

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ネタバレ

イヤミスではないのに、読後はグッと重い感情が胸に沈む。勘違いからの一途な献身のやるせない結末、希望と絶望が背中合わせに感じるラストだからか。
女性二人を殺したとして逮捕された小野宮楠生、通称“クズ男”の弁護を引き受けた宮原貴子が関係者の接点を繋ぎながら事件の核心に迫っていく。
まさき作品は親に愛されなかったり、毒親に苦しめられる子どもたちの救いをいつも考えさせられるなぁ。
今までの作品は母親の狂気に震えることが多かったが、この作品では珍しく独身の“クズ女”吉永の狂気が光っていた。

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2023年10月29日

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ネタバレ

一貫性のないつぎはぎのような性格。

笑顔でピースサインをする彼は、一体何を思っているのかー。
気になって読み進める。


人間は複雑。簡単に、わかるものではない。

弁護士の貴子自身、家族の関係に思うところがあるのに、家族神話に、はしりがち、冷静で7年間妹に会っていないという発言から、関係性が薄いと判断したり、それほど悲しんでいないと勝手に思っていたり。楠生を救う会の女性たちに対しても…。


楠生にしても、音信不通の関係性であっても、楠生を救う会の女性たちも、人付き合いが悪い人間であっても、見えている部分だけが彼らのすべてではないということ。

貴子は、何度も見えない部分に手を伸ばそうとするけれど…。

拘置所にいる楠生に助けを求める真美の行動、それに答える楠生。

楠生にとって、彼女はどんな存在だったのか、何故そこまで…?で一気読み。

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2023年01月19日

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