あらすじ
祖父の遺してくれた下町の古道具屋「アベリナ」を一人で切り盛りするジリア。
彼女に店を売る気がないと知るや否や「結婚は考えられない」と告げてきた婚約者と別れたジリアは、今後のお店の経営に少し頭を悩ませながらも、大好きな古道具の世界に没頭する日々を送っていた。
そんなある日、外套をまといフードを目深に被った怪しい客が店を訪れ、懐中時計の修理をジリアに依頼する。
その後も頻繁に店に来るようになった美貌の男・イリアスに「フードの貴人」という渾名をつけたジリアは、いつの間にか彼の来店を楽しみにするようになるのだった。
感情タグBEST3
身分格差解消法
侯爵令息のヒーローが好きになって囲い込んだのは平民のヒロインで、自分の仕事に関する古道具についての知識が深いのはカッコいいです。アタマふわふわのお嬢様じゃないのは良いのですが、媚薬を飲まされた時にヒーローに助けを乞う時に「もう処女じゃないから」とのセリフがあまりに即物的すぎて、私にはちょっと興醒めだったかな。
自分の立場を良く理解していて「愛人枠だ」と決めつけているのも、不憫といえば不憫で、そのあたりは読み飛ばしてしまいました。
短いお話で山も谷も小さいですが、さっと読めて満足できた1冊です。平民のジリアを溺愛し、何としても手に入れたい宰相次男イリアスだけど、元々天然で恋愛に関して全く知識がないだけ最後の外堀を埋めたスピードは半端ない。