あらすじ
「メディアはラグビー界の天才として、平尾さんの人物像をクールな理論派として描いていますが、実は情に厚い、心優しい人でした」
「ミスターラグビー」の愛称で、選手としても、指導者としても、日本ラグビー界に大きな実績を残した平尾誠二。神戸製鋼のラグビー部では先輩後輩の間柄だった著者・藪木宏之が、1988年4月に神戸製鋼に入社してから、平尾誠二が亡くなる2016年10月20日までの28年間を振り返る。これまでメディアで明かされることのなかった平尾誠二の素顔やエピソードを多数収録している。
【目次】
1章 出会い
2章 初優勝
3章 連覇
4章 伝説の逆転トライ
5章 七連覇
6章 敗戦
7章 突然のお別れ
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
平尾誠二の本は、没後6年経っても、まだ泣ける。
最晩年を過ごした山中伸弥教授による「友情」「友情2」で留めかと思っていたが、1988年から2016年まで、つかずはなれず、それこそ寝食を共にしたチームメイトで、後輩の著者による、至近距離からの平穏像は実に生き生きとしてた。
日経の書評子藤島大が記した
「無敵の7連覇。そこでの薫陶の記憶は現在56歳の人物を少年とさせる」
が正鵠を射ているだろう。
師であり、よき兄貴であった平尾誠二を語る時、著者は90年代のあの頃に戻ったように、憧れを見つめるかのような素直で幼さなささえ感じる筆致となる。それが、なんとも良かった。
ラガーマンの端くれとして、同時代に平尾誠二がいたことの幸せを、改めて、思う。