あらすじ
「普通じゃない」は可能性だ! 「障害」が絵筆となって生み出されるアート作品を世に解き放つ双子の起業家。ジャケット、バッグ、さらには駅や空港のラッピングと、その活動範囲はこれまでの常識を軽く飛び越え広がり続けている。「僕らは未来をつくっているんだ」という彼らの原点、軌跡、そして未来を初めて明かす一冊。
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Posted by ブクログ
"この国のいちばんの障害は「障害者」という言葉だ。"
"障害は、「障害者」にあるのではない。社会の方にあるのだ。資本主義社会の仕組みが「健常者であること」が前提のものとなっていて、社会変革やテクノロジーの進化が追いついていないため、やむなく障害が生じてしまっている。"
確かに、視力が低くてメガネなしでは生活できない人も一般的には障害者と扱われていないことからして、「障害者は社会側が規定している」側面があることに気付かされた。
"ヘラルボニーが開拓している市場は、プロダクトでもインテリアでも、ライセンスでもアートでもなく、「思想」だということ。"
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見てみぬふりをする、またはかわいそうと思い過剰反応する。これまで障害者と接するときには常にそういう壁を作ってきたがこの本を読んで考え方がおおきく変わった。
特性を生かして素晴らしいアートを創作するパワーを持つ作家がたくさん存在して、独自の魅力が人を感動させ動かしビジネスを生み出している。
アートの世界に新風を起こしたヘラルボニーと関わりを深めることで自分の感性を豊かにしたいと思う。
Posted by ブクログ
先輩からの贈り物であるコピー『異彩を、放て。』まんまを体現され起源や“違いをリスペクトする”精神を貫かれ、世界中から尊敬される企業となり、素晴らしいですね。
実際の商品に触れた際にも洗練されたオシャレな作品に目を奪われました。
おめでとうございます。
Posted by ブクログ
社会通念を変革するビジネスとはこういうことを言うんだと、再認識させられた一冊。ヘラルボニー創業ストーリーが丁寧に語られつつ、会社としての想いの部分や、ビジネスの広がりを感じられた。
心に残るフレーズも多く、折を見て読み返したい一冊でした。
Posted by ブクログ
ダウン症の兄をもつ双子の弟。
どんなことを考え、兄が生きやすい世界を作ろうとしているのかなぁ。
そんな漠然の思いでこの本をとってみた。
彼らの兄をはじめとする
いわるゆ健常者でなく、知的障害の可能性をどう社会に浸透させていくか。
福祉団体でなく株式会社でやっている意味にすごく共感した。
今後のベラルボニーに期待しかない。
Posted by ブクログ
価値観の革命。
以前からヘラルボニーのことは知っていたけど、この本を読むことで、やっと理解に近づいた気がする。
それと同時に、自分がやりたいこと。自分がやるべきことが少しだけ見えた気がする。
自分にとっての聖書となりました。
Posted by ブクログ
約1年前、初めて盛岡のマザリウムで初めて「ヘラルボニー」というものを知り、なんじゃそりゃ?ってかアートがある部屋値段高ぇな……と思った自分。
それから1年弱、ヘラルボニーのアートを知り、なぜか心揺さぶられるようになった自分。
この変遷に我ながら驚き、創業者である松田兄弟がベンチャー界隈では有名であることを知り、本書を購読。
ヘラルボニーの取り組みが社会的に素晴らしいことは疑いようはなく応援しているが、自分がヘラルボニーのアートに魅了されている(そして最近ついにグッズを買ってしまった)のはおそらくそれが理由ではない。
本書でも語られているように、異彩作家の方の「人間の加工されていない芯の部分」が表出した結果としてのアートが、直接的に心に響いているのではなかろうかと腹落ち。そう考えると、ヘラルボニーの、異彩作家のファンは今後どんどん増えてくるのではなかろうか。
いずれにしても、アートそのものに対する応援だけではなく、ヘラルボニーというチームそのものに対しても益々応援したくなる、そんな本でした。
Posted by ブクログ
COTEN RADIOでヘラルボニー創業者の松田兄弟のゲスト回があり、ヘラルボニーという会社に興味を持った。また偶然なことに、そんなことを伝えてもいなかった私の妻がこの本を買ってきて家で読んでいたので、2つのきっかけで私もこの本を手に取ることにした。
会社概要は前述のラジオでざっくり知ってはいたが、この本では松田兄弟が幼少の頃から結社に至るまでの物語も語られている。生きていく中でどういった想いを抱き形にしていきたいと思ったか、詳細に描かれていて、後半で様々な形になって結実していくところで目頭が熱くなった。
るんびにい美術館の方のコラムが入っているのも良かった。創作をする障害者の方を身近で見てきたからこそ、ヘラルボニーに何を求めるのかについて想いが綴られていて、ヘラルボニーの立ち向かっている問題の解像度がより上がった。
「知らない」ことは「怖い」ことなんだと感じる人が多い中、ヘラルボニーの打ち出すメッセージやブランドが、一人でも多くの人に届いて、その漠然とした恐怖を打ち消し受け入れる気持ちにしてくれることを願う。
Posted by ブクログ
数年前から、ヘラルボニーという不思議な語感の会社の名前を聞くことが増えてきた。鮮やかな障害者アートをデザインに取り込んで世に発信している会社というイメージである。
『異彩を、放て。』という挑戦的なタイトルと、目を引くカバーデザインが目に飛び込んできたとき、以前からこの会社に興味があり、迷わずに手に取った。一読、とても良い本だった。
本書は双子の松田崇弥・文登さんによるヘラルボニー創業から2022年現在までの軌跡である。お二人の実直な性格がにじみ出る文章に共感と感動を覚えた。私の目を引いた表紙デザインは、知的障害のあるお兄さん・翔太さんの手によるものであるという。
障害者の作品をビジネスで通用させる。お二人の意図はそんな簡単なところにあるのではないらしい。障害のあるなし関係なく、すべての人の可能性をひらきたい、その人らしく暮らせる社会にしたいという思いが感じられる。アートはまずその一歩に過ぎないのだ。
障害者を食い物にするのかと、陰に日に言われることもあるだろう。しかし、本書を読めばそんな非難は的外れであることがわかる。こういう若い方がおられるということにとても心強いものを感じ、大いに刺激を受けた。
ヘラルボニー、なんだそれ、という方はぜひ本書を読んでみてほしい。このプロジェクト、凄いです!
Posted by ブクログ
「あるがままで、あたりまえに」
そういう社会にしたい。そのために動きたい。
その願いの何歩も先を、何段も上で進んでいるのが、本著の作者が手がける「ヘラルボニー」であることが改めてわかった。
追いつくどころか、後を追うことすらできるか自信がないけど、思いを抱いている以上、続きたい。
まさか、オリジナルで生み出したはずのフレーズ「あるがままで、あたりまえに」が出てくるとは思わなかった。
「障害があっても、ありのままでいられて、当たり前に肯定される世界。」(p189)
抱く想いは間違っていなかった。
そう思わせてくれた一冊。
Posted by ブクログ
「障がい者がいないと成り立たないビジネスを作る」
逆転の発想だし、それをやり遂げているヘラルボニーがすごいと改めて思った。
好きなブランドの創設秘話を読む
それだけで、そのブランドの思いの熱さを知ることができる
一冊の本では語れない思いや時間を、言葉にしてくれてありがとうと思う。
Posted by ブクログ
福祉業界にイノベーションを起こしているヘラルボニー代表2人の著書。
双子で兄が知的障害がある。その2人が人生を通して経験したり感じてきたことから、ヘラルボニー誕生の話やどんな世界を創りたいのかが、熱く伝わってくる。
障害者を個性として捉え、健常者が持っているのと同じように選択肢が持てるような世界はとても素敵だと思う。
2人の想いや、実際にどんな活動をしているのかだけでも知ってもらいたいので、是非読んでみてほしい。
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作者がやっていることは、凄く面白い。でも作家が書いた本ではないので、本として読むと少し退屈だなと感じながら読んでいたのですが、 [ るんびにい美術館•板垣崇志さんが語る ]は、様相が異なり引き込まれました。本当に凄い情熱で、作者が事業を進めていること、異彩作家さんのことがすごく伝わる感じがしました。ここを読むだけでも十分な価値のある本だと思います。
Posted by ブクログ
読み物としてよりは、やはりヘラルボニー自体の取り組みが素晴らしいと思う。
知的障がい者に依存した、彼らのような芸術家がいないとできないビジネスというのがとてもいい。
そんなヘラルボニーの軌跡について知ることができる本。
松田さんたちのお話もよいのだが、個人的には「るんびにい美術館・板垣崇志さんが語る」の部分が特に面白かった。この本に称されているような作品について「そのままの水のすごさ」と記されていましたが、まさにその通りだなと素直に感じました。
このような事業がもっと広まって、様々な人がお互いに認め合いながら暮らすことができたら、この世の中も少し生きやすくなるのではないかと思います。
Posted by ブクログ
YouTubeのPIVOTというチャンネルで知ったヘラルボニーと著者の存在。その番組は、多様性がテーマだったが、目線は、障害者。障害を抱える兄と双子の兄弟(著者)、本書はその障害者を活かす会社ヘラルボニーの説明だ。
アートネクタイのように、ヘラルボニーでは障害者のアートをファッションアイテムとして販売する。「障害者を売り物にするのか」というくだらない野次もあるらしいが、健常者だって売り物であり、社会は自らを売り物にして成立しているのだから、障害者だって売り物にする。寧ろ、売り物にできなければ、その方が問題だ。現代アートの世界では社会との連動性や文脈が問われるから、障害者というバックボーンは個性だ。
ファン心理とは、生い立ちを含めたストーリーへの共感も伴う。ラッパーやグラフィティーアートにも興味をもつ著者はそれに気付いた。アーティストは、不幸を材料に衆目を集める。耳の聞こえない作曲家、目の見えないロックスターなど。
ー 障害者総合支援法に基づいて規定された障害、福祉サービスの1つとして、就労支援施設がある。雇用契約を結んで利用するA型と雇用契約を結ばずに利用するB型の2種類がある。A型は法律で定められた最低賃金以上の報酬を得ることができる。B型は自立のための訓練を目的とする性質が強く、雇用契約を結ばないために報酬が低くなることが多い。
知らなかった。
ところで、障害者活躍の構図は、女性活躍の構図に近い。セクハラは女性性を偏見から守り、職場から動物的野生を排除するが、障害者も同様だ。その上で、生産性至上主義の現場において、個性による肉体的不利性を評価外とするルールを作り、遵守する必要がある。弱者じゃない、とする立場と、弱者だと認めながら尊重する立場は違うが、前者でいくとルール無用になるので、差別ではなく、区別は当然必要である。が、障害にも程度があるから、区別自体が差別になる領域もあることは留意したい。
Posted by ブクログ
ご本人達の目標や熱意、取り組みはとても凄い。
共感するところも大いにある。
でも、途中から会社のHPにある沿革をそのまま見てるようで文章としてはあまり面白くはなかった。
るんびにい美術館の方からの寄稿が良かったので、ヘラルボニーの関係者の方からの寄稿を寄せ集めたものを読みたいと思った。