あらすじ
コロナ禍、ウクライナ侵攻、原油高、台湾海峡の緊張――世界は、日本はまさに予測不可能な時代に突入した。そこで重要になるのは、状況の変化に即応するための「プランB」だ。だが日本の組織は「既定の方針」にしがみつき、それを改めることに躊躇してしまう。その代表例がコロナの水際対策であり、また東京オリンピックの強行開催であった。いったいなぜ日本の政府は、企業はプランBを実行できないのか? そしてその真の原因はどこにあるのか? 「滅びる組織の病理」を鋭く抉る、サバイバルのための実践的経営学。予測不可能な現代を生き延びるための「危機の時代の経営学」決定版、登場。冨山和彦氏【経営共創基盤(IGPI)グループ会長】、藤野英人氏【レオス・キャピタルワークス 会長兼社長】が「人生の解像度が上がる本」と絶賛!
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Posted by ブクログ
プランBとは『一般的な日本語の辞書を引くと「プランB」の訳語として「次善の策」「代替策」などを挙げてい
るものがほとんどと言っていいが、これらの訳語からは「プランAよりも劣る内容」「間に合わせの案」「控えの
案」といった消極的、ネガティブな印象を受ける。』(P11)もののそうではないと著者。
イメージとしては『「プラ
ンB」を考えながらプレーできることが、カーリングが他のスポーツと違う点だ。』(P306)というのがわかりや
すい。
著者は元のプランを代替案に変える「機会」を問うているのであって、プランAが金科玉条にならないよ
うに個人、組織共にバイアスや空気、モチベーションの在り方などを事前に理解する必要性を謳っている。
もちろんプランBも金科玉条にはならないのも自明。
向きを変えるのにはロジカルさだけではなくラポール(P275)についても書いてあり共感。
『上意下達の従来型組織において、「現場で経験して来い」というのは無茶な注文である。
現場からは経営に影響を与えるようなアイデアなど、生まれてこないということだ。』(P139)が新鮮。
新書なので
下記のような言葉が出てきて纏めて学べますね。
集団思考,集団的保守主義,現状維持バイアス,ホットハンド誤謬,空気。認知容易性錯覚,代表性ヒュースリティック,選好の時間的逆転,損失回避の原則,ハロー効果,アンカリング効果,認知バイアス。同調圧力。サクセストラップ。官僚の無謬性。失敗情報:隠れる,単純化,変わる,ローカル化,神話化。表象の一致,間主観性の一致。組織バイアス,取引コスト,可能性の効果,感情ヒューリスティック。後悔回避,心理会計,思い込み,サンクコストの誤謬,損失回避の現象,感応度逓減性。レッドチーム思考,オープンイノベーション,アート思考
Posted by ブクログ
ゴールデンウイークに本屋で新刊のコーナーを見ていたらちょっと難しそうかもしれないが読んでみようと思って購入。これが意外と分かりやすくて秀逸な内容だった。意思決定科学、心理学、行動経済学のよい教科書としての一面と実践的なビジネス書としての一面を併せ持つ内容に感じた。全体の話がきちんと構造化されていてさすが大学の先生はまとめ方うまいよねぇと思わせてしまう、そんな本。
キチンと図を使って概念枠組みを示している。当初のプランAが実行できなくなる不適応状態について様々な角度から環境要因やその他様々な要因を分析している。プランAを実行できなくなる、ここまではよいが(まぁ柔軟性が組織に不足という意味ではよくないのか?)プランBを発動できなくなるというこちらの分析が秀逸。舵を切ることができずに過去の成功体験、トップマネジメントの場の雰囲気が原因になる話は、山本七平の「空気の研究」に通じるなぁとおもったら筆者も「空気の研究」をあげてきた。おぉ、なるほどそうだよねぇ、と納得。ここで私が秀逸だと思ったのは分析をしたうえでプランBを発動促進する施策を提言しているところだ。
悪魔の代弁者、仕組みづくり、AIにできないSomething(詳細はこの本を読んでもらいたいが)の中から自分にやれることを組織の中でやっていこうと思った。もはや出世することもないだろうということで気楽な身分だろうし(笑)。