あらすじ
――穢して、俺だけのものにしたい。
政治的な思惑で「聖女」に祭り上げられ、王太子妃候補となったローレン。
彼女はある日、命を狙ってきた刺客に短剣を突き刺したショックで心を閉ざしてしまう。
だが、護衛のシリウスだけはローレンに寄り添い、快楽という癒やしを与えてくれた。
ローレンは彼と淫蕩に溺れるたびに、聖女の呪縛から解き放たれて、生きる喜びを知っていく。
もう「聖女」には戻れないほどに。
けれど、王太子との婚約が正式に決まったことで、シリウスとの関係に変化が生じ……!?
本心の見えない冷徹な護衛×利用される聖女、
密令のために近づいた男は、少女の愛に溺れて――!?
【目次】
序章
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
終章
あとがき
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Posted by ブクログ
慈善事業を行うヒロインに奇跡の力は無いが心優しさから聖女と呼ばれる
清廉なイメージは父の役に立ち常に聖女であれと押し付けられる
本人はそんな器でないと苦悶するが、護衛の彼だけは彼女を一人の女として見てくれ…
二人共壮絶で辛い…!救いがあって良かった
すごく好き
ハマりました〜
綺麗なだけではないストーリー。
そんな中、キレイであり続けようとするヒロインが少しづつ自分を取り戻していく様子もグッときたし、シリウスの過去がわかった時もグッときました。
読み応えあってオススメです。
タイトル通りのお話ですが、それ以外に道具として扱ってきた子供達からの盛大な復讐劇でもあるかな。
ヒーローが敵なのか味方なのかちょっとハラハラしましたが、ヒロインへの愛は本物で良かった。
ヒーローの異母兄にも良い人が現れるといいなぁ。
Posted by ブクログ
まさにタイトル通りの物語。
ローレンの敵方の人間ながら護衛につき、それすらも偽りだった筈なのに、予想より早く彼の方が堕ちてしまってびっくり。
このまま彼女に堕ち続けて敵方を裏切るのか、それとも彼女を裏切り、本来の使命を果たすのか。
どう転がるのかハラハラしながら読んでいたら、彼は一途である意味ぶれなかった。
まさか、ああなるとは!
終盤に種明かしされて、そんな彼の行動の意味も読み終わると納得できた。
ローレンもシリウスも、結局は父親に道具として扱われ続けた、そういう意味で似た者同士だった。
父親が本当にどうしようもない奴らで……そういう輩は作中でまとめて報いを受けるのでご安心を(他にもいるのだ、そういうキャラ)
そんな中でも、ローレンもぶれなかった。
寧ろ鍛えられて純度は上がった気もする。
利用され続けた似た者同士の二人が父親の呪縛から解き放たれて、他人本位ではなく自分本位の欲に目覚め、新しい生き方へと踏み出すラスト。
それまでに互いに手を汚すことはあったけれども(ローレンの場合は正当防衛ではある)ラストはこれまた予想していたより余程明るく幸せなものだったので本当によかった。
互いに唯一の人を愛し愛される関係になれて本当によかったとしみじみ感じた。