あらすじ
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★疑問を解き明かしながら学ぶ、英語の歴史
英語にまつわる素朴な疑問に答える形で、英語の歴史をひもといていく、これまでになかった英語史の入門書。
「なぜnameは『ナメ』ではなく『ネイム』と発音されるのか?」
「なぜ -ly をつけると副詞になるのか?」
「アメリカ英語はイギリス英語よりも『新しい』のか?」
といった疑問をきっかけに、英語史の基礎知識を学んでいくことができる。
英語という言語について深く学んでいくために最適な1冊。
★本書で取り上げる「素朴な疑問」
・なぜ*a appleではなくan appleなのか?
・なぜ3単現に-sを付けるのか?
・なぜ不規則動詞があるのか?
・なぜ未来を表すのにwillを用いるのか?
・なぜ *I you love ではなく I love you なのか?
・なぜ1つの単語に様々な意味があるのか?
・なぜアメリカ英語では r をそり舌で発音するのか?
・なぜ船・国名をsheで受けるのか?
など
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Posted by ブクログ
言われてみれば、たしかに初学者の時は抱いていたかもしれない素朴な疑問は、英語史を遡って見ていくと答えのヒントが見つかる。たとえば、なぜ不定冠詞は母音で始まる単語にはanになるのか。母音が続くと発音しづらいから、でなんとなく説明された気になっていたけれど、母音が続く言葉なんていくらでもあるし、nがつく必然性もない。これはもともとoneだったものが変化してanになったもので、むしろanの方が本来の形に近く、子音で始まる言葉につくときに、子音連続を避けるために、あるいは意味的に弱い不定冠詞の語末音が弱化したからaになった、という説明が、通時的に見ればなされる。同じように、なぜ三単現のsがつくのか?という疑問も、むしろ三単現以外の語尾の屈折はなぜなくなったのか?を問う方が本質的であり、もともと屈折で(活用、との違いはよく分からなかったけど)性数格を表していた英語の語尾がどんどん水平化され、統合的な言語から分析的な言語に変わったけれど、三単現の語尾sは弱化したり脱落したりしにくい音だった、ということに起因しているようだ。過去形などの不規則変化は高頻出語ほど多く、それは規則にそって修正する以前に人々の使用頻度が高いのでそういうものとして受容され、使用され続けているから。そういうのって他の言語にもあると思う。ノルマンコンクエスト後のフランス語の流入や、ルネサンス期のラテン語ギリシャ語の流入など、他言語からの流入が多い点も、本来語よりも外来語の方が堅い言い方になる点も日本語と似ていて面白い。(日本語は漢語は堅いけどカタカナ語はものによる…という差は置いておいて)