【感想・ネタバレ】エコノミストの犯罪 「失われた10年」を招いたのは誰かのレビュー

あらすじ

この十余年、日本の経済はエコノミストの分析と予測と提案により、休みなく改悪させられてきた。だが、どのエコノミストもその結果に責任をとって沈黙しようとしない。それどころか、事態の悪化に応じて、これまでとは両立しない政策を提案している。彼らは政府の審議会や委員会に参加し、政策立案の現場にも関与してきたが、政策上の結果における失敗の責任をすべて政治家や官僚にのみあずけている。彼らの政策提案で多くの人間が失業や倒産の憂き目に遭っていること、その提案は「無知の知」という知識人の作法を無視したうえで組み立てたものであることに何の痛痒も感じていないことを指して、著者は「犯罪」と呼ぶ。本書は、三十年近く前に経済学の狭さと歪みに耐えかねて、そこから離れた著者が、エコノミーがエコノミストによって壊されていく現状を座視できずに著した渾身の一冊。著者は説く。「多くの読者に、言論における責任に関心を払ってほしい」と。

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Posted by ブクログ

著者の作品は奥が深く、毎回驚かされます。

現在のエコノミストなどの無責任な発言をあらゆる角度から批判しています。
著者は組織の重要性についても言及している。
普通なら組織のことを考えて行動するから、昨今起こっている危機は単なるブームから起こったものである。
リスクとクライシスは異なる意味を持ち、クライシスは統計では図れないものである。それを統計などで計ろうとしているエコノミストの罪は深い。クライシスなどの不確実性は民の力では対処できない。
不確実性には官の力が必要であり、公共事業などについても見直すべき時期が来ている。
社会は利害調整の場などではなく、価値の共同体であり、利潤だけを求める企業の考えでは、失敗を繰り返すだけである。

著者は真の思想化といってよいほど、考えが広く、深い。
自分の知識レベルで読んでも、著者の言いたいことの1割も理解できていないような気がする。

物事は多角的な見方をしなければならない。一方的な考えでは頭が固くなってしまう。
どの本を読むときも様々な視点で読みすすめていきたい。

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2011年09月18日

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