あらすじ
時には雲よりも高い場所で咲く高山植物。その可憐な姿には、登山中どんなに疲れていても目を留めてしまう。ただ生育環境は過酷そのもの。氷点下をはるかに下回る極寒に、吹き荒れる強風。生育シーズンは3ヶ月もない。そんな厳しい世界で、高山植物はどうやって次世代に命を繋いでいるのか――。可愛らしい花たちの強かな生存戦略の秘密を、この道30年の植物学者が鮮やかに描く。読めば“高嶺の花”を求めて山に出かけたくなる!
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Posted by ブクログ
2022/10/1 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2024/1/17〜1/18
アルプスなどを登山した際、たくさん眼にする高山植物であるが、一部の名前くらいしか分からないのを常々残念に思っていたところ、高山植物の研究者である工藤先生が書かれたこの本を発見。主に大雪山(行きたいなぁ)の高山植物を中心に生物学的な調査結果や温暖化の影響などの環境面に至るまで、幅広い内容であった。いやあ、こうやって来歴を知ると、ほんとに見られるのが奇跡なんだと良くわかった。
Posted by ブクログ
花が美しい理由がしりたくて手に取った本。
生命を繋ぐために色や形を進化させ、
したたかにいきのびているらしい。
エゾノツガザクラの基本種はふたつ
エゾノツガザクラ (風衝地と雪田の中間)
アオノツザザクラ(雪田の典型種)
それらがかけあわさってできる
コエゾツガザクラやニシキツガザクラ等がある
遺伝子を調べると基本種の半々の個体のみ
つまり一代で終わり、
種を残せない種が存在するらしい。
一時の存在にすぎない雑種であっても、生態系の中で重要な役割を持つことだってある。生物はいつだって可能性を秘めていて、自然はとても柔軟だ。
というフレーズに、心が救われた。
大好きな立山に、今年はマルハナバチに会いに行ってみようかなと思った。