【感想・ネタバレ】パープル・ハイビスカスのレビュー

あらすじ

厳格な父に育てられた少女カンビリは、軍事クーデタに備えて預けられた叔母の家で、自由な価値観を知る。自己を肯定していく少女の鮮烈な物語。世界20か国以上で翻訳された傑作長篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

腐敗しきった政権のナイジェリアが舞台。
カトリックの正義、歪んだ愛、社会的には成功者の父が家族を抑圧する。カンビリと兄のジャジャが叔母の家で知った自由は父の元で息を詰めて暮らす生活に疑問を抱かせる。16歳のカンビリがいとことの友情や神父への愛に気付き成長していく。瑞々しい風景描写や気持ちの表現などこちらにぐいぐいとせまってきた。訳もわかりやすく原語そのままカタカナにしてあるところなど雰囲気が伝わってきて素晴らしい。

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2022年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公である15歳の少女カンビリ目線で書かれているからか、とても読みやすかったけれど、内容は容赦なかった。

社会的にはビジネスで成功し、寄付などで社会貢献もするお父さんなのに、凄まじい家庭内暴力者。でもそれもキリスト教の教えに倣っているだけで、罰を与えたあと本人は涙を流して、子供たちに愛してるという。とても複雑だ。

主人公が人間味を取り戻し、様々な感情を体験する姿は、こちらも心が晴れやかになった。お兄ちゃんはあの後どんな大人になるのだろう。少し心配になった。

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2022年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

遥か遠いナイジェリア
少女が語る物語に悲壮感はない
家長であるパパ、敬虔な信者で、今の自分を確立した礎になっている大事な信仰が故、愛するが故の過ちへの断罪は容赦なく、言葉にならない
心を明らかにできず、苛立ちにうまく対処できない彼も悲しいけれど、それを差し引いても、どれだけ愛があったとしても
はやく大人になって
何も知らない子供たちには憐憫の念しかない

「パープルハイビスカス」
タイトルの意味は重い

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2022年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それがですね、しんどいんですよ。国の情勢も、父親の支配も、読んでいてつらい。従順に暮らしてきた15歳のカンビリが、イフェオマおばさんの家に行って初めて知る、賑やかな食事の時間やおしゃべり。圧倒されながらも、そりゃ引きつけられるだろうなあ。

しんどいながらも、最後のほうには力強さも感じる。それが何なのかを少し考えてみたいと思う。

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2022年06月06日

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