あらすじ
あなたはウンコが嫌いですか? 汚くて恥ずかしいものとして嫌われがちなウンコですが、 生産や消費と同じように、人生には欠かせません。 文理、歴史の壁を越えたウンコ探究に出かけよう。
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Posted by ブクログ
現代において、ウンコはトイレに流せば、目の前から見えなくなる存在である。
この言葉は本書の中にあるが、まさにその通りである。幼稚園・小中学校の教育の中で「ウンコは毎日出た方がいい」「健康な証拠」などという事はあるが、一方でその処理の仕方にまでフォーカスしていくのは「タブー」視されている。
我々が子供の頃には、学校のトイレは和式が多く、特に男子は個室に入ればその目的が分かるだけに茶化されるのではないか、という懸念があった。
現在、私自身が教員として小学校に勤務している中で、男子が大便をしづらいということはないように感じる。結構、給食後に行っている男子は多い。自分自身は我慢をしていただけに、随分と雰囲気が変わったものだと思っている。
しかし、筆者が主に後半部で述べている「循環」という点で言えば、そこに言及して子どもたちに接しているかといればNoである。
「下肥」というありふれた日本の農業習慣にも当然本書は言及しているが、徒に「糞便で育った野菜など食べられるか」という感情だけで物を言うのではなく、いかにして「循環型社会」を作り上げていくかという大局的な視野が大切であると実感した。