あらすじ
社会復帰したシリアルキラー“腸詰小僧”の独占インタビューに成功した西嶋の元を被害者の父が訪れ、本人に会わせろと迫る。一方、警察官をしている弟が浮気相手を妊娠させてしまったと泣きついてきた。追い詰められていく西嶋は……。(表題作) ジコチューな小悪人たちが、あっけらかんと起こす事件。まさかのどんでん返しに舌を巻くミステリー傑作集!
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Posted by ブクログ
一番悪いのだ~れだ?
こすっからいロクデナシたちが繰り広げる悲喜劇。
そうくるか! のどんでん返しまで楽しめる痛快ミステリー傑作集!
【内容紹介】
社会復帰したシリアルキラー“腸詰小僧“の独占インタビューに成功した西嶋の元を被害者の父が訪れ、本人に会わせろと迫る。一方、警察官をしている弟が浮気相手を妊娠させてしまったと泣きついてきた。追い詰められていく西嶋は……。(表題作)ジコチューな小悪人たちが、あっけらかんと起こす事件。まさかのどんでん返しに舌を巻くミステリー傑作集!
7話からなる短編集
フォロワーさんとのコメント欄でのやりとりで気になった作家さんなんですが これが2冊目
めっちゃ面白い‼︎
どの話も読んでいて 脳内が勝手にこうなるんちゃうん〜?と予想するんだけど ことごとく予想がはずれてどんでん返しに驚き続けました
ホント!ロクデナシの悪い奴らばっかりなんですが ここまで騙されると気持ちがいい〜〜♪
Posted by ブクログ
持ってるのに文庫も購入
相も変わらずクズだらけで素晴らしい。
言葉巧みなミスリードと、ラストに交差する2つの物語が素晴らしい
しかし、この短編で、2つのストーリーをラストで混ぜ締めるのはさすがとしか言えない。
やはり一番好きな作家。
今度こそ今年ラスト
Posted by ブクログ
曽根圭介『腸詰小僧 曽根圭介短編集』光文社文庫。
7編収録の短編集。登場人物の殆どが悪者で、読者のミスリードを誘う様々な仕掛けが施された短編ばかりが並ぶ。イヤミスの極致と言って良い程、後味が悪く、それでいて最後にヤられたと唸らされる。
『腸詰小僧』。結局のところ、登場人物の誰もが悪者。秘かに仕掛けられていた爆弾が最後に爆発するような展開が面白い。『腸詰小僧』が最後にチラリと姿を見せるだけというのがミソだ。9年前に日本を震撼させた未成年のシリアルキラー『腸詰小僧』が社会復帰する。『腸詰小僧』の独占インタビューに成功したフリーライターの西嶋の元を被害者女性の父親が訪れ、『腸詰小僧』に会わせて欲しいと迫る。一方、西嶋の警察官の弟が浮気相手の女性を妊娠させてしまったと泣き付いて来る。★★★★★
『解決屋』。こちらの短編でも登場するのは反吐が出る程の悪い奴等ばかりで、ストーリーは少し込み入っている。毒には毒をということか。依頼者の不安の種を取り除くために殺人を繰り返すスズキ。そして、父親に命ぜられるままに鉄パイプで通行人を襲い、強盗を繰り返す少年。二人の悪魔はやがて……★★★★
『父の手法』。主人公の渋沢里江子だけは過去の父親の痴漢冤罪事件の被害者として、唯一全うな人間だと思っていたのだが、それは淡い期待だった。介護付き老人ホームで働き始めた35歳の渋沢里江子は認知症の勝又老人に誰かと間違われ、涙ながらに謝罪される。やがて、勝又老人は過去に交通事故で女性を死に至らしめ、死体を遺棄したことを告白する。★★★★★
『天誅』。加害者どころか被害者まで、全ての登場人物が悪い奴等というイヤミスの極致というような短編。販売目的で実娘の猥褻画像をネットに公開するアキラという謎の人物を警察が捜査する。同級生の女児が父親に変な写真を撮られたり、体を触られたりしていると交番に相談する少年。やがて少年は交番の不良警官に促され、女児の父親に天誅を下す決意を固める。★★★★★
『成敗』。何ともブラックなストーリー。裏切った相手が幸せになればなるほど精神を病むのだから、相手のことなど知らぬ方が良い。様々な事情で精神を病んだ者たちが集まるセラピー。主人公のシンタロウはセラピーで知り合ったカオルという女性に誘われ、世の中の悪者たちを成敗する。★★★★
『母の努め』。この短編は講談社文庫の『2019 ザ・ベストミステリーズ』に収録されており、既読だった。母親は強しといったところか。ミスリードを誘う見事な仕掛け。末期癌の夫を抱え、さらには死刑囚の息子を持ち、婚約を破棄された娘が失踪するという悲劇の渦中にいる母親の田丸美千代。★★★★★
『留守番』。完璧にミスリードを誘いに来た短編。読み返しても、確かに辻褄は合うのだが……妻と娘に愛想を尽かされ、独り身になった男が娘の部屋を訪ねると、佐藤と名乗る男がやって来た。★★★★
本体価格740円
★★★★★
Posted by ブクログ
曽根さんのブラックミステリ大好きだなー
全て「してやられた感」あるのと、登場人物がクズばかりで救いようのないのも。
表題の「腸詰小僧」が一番好き。
Posted by ブクログ
インパクト強めの表題作を始め、知り合いにはなりたくないロクデナシたちが一生懸命ちがう方向に頑張っておかしな事態を招いてしまう曽根さんワールド全開の短編集。
思い込みから見えていた景色がガラッと変わる結末とブラックユーモアが秀逸。
どれもパターンは似ているのだが、いつの間にかまた騙されている。このしてやられた感はやみつきになる中毒性があるなぁw
「天誅」や「留守番」の後に残るヒヤリな怖さもいいが、ダメ息子に燃やす母親のバイタリティーをなぜだか最後応援してあげたくなってしまう「母の務め」の悲喜こもごもの笑いが絶品。