あらすじ
素晴らしく晴れ上がった秋空の下、今日は警視庁の運動会。あの片山義太郎も晴美も、石津も三毛猫ホームズも今日ばかりはルンルン気分。死体も、殺人も、凶悪犯のことも忘れて誰もが楽しむ予定だった。だが、こともあろうにそこへ、脱獄犯がまぎれこみ運動会は大混乱。その上、警官と直属上司の妻との不倫関係も暴露されて…。さあ、ホームズ、この混乱をどうさばく!? 三毛猫ホームズ初めての短編傑作集。
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Posted by ブクログ
リリアン・J・ブラウンのシャム猫ココのCat Whoシリーズを読んでから
三毛猫ホームズシリーズを読んでいます。
本作品の主人公が片山晴美であることは、他の主人公が、
飼い猫の雌の三毛猫ホームズ
晴美を慕う刑事の石津
兄の片山義太郎
という構成から見ても分かる。
晴美の透明感のある性格は、
三姉妹ものの、次女
爽子ものの、爽子
幽霊ものの、夕子
などなど、赤川次郎の主流の作品の不動点であることは自明のことのように感じられる。
三毛猫ホームズは、晴美が操っているのか?
という疑問にたどり着けば、
魔女と使い魔としての猫という関係が見えてくるかもしれない。
リリアンブラウンが女性だから、主人公が男性になっているように、
赤川次郎が男性だから、主人公は女性だと気がつくと、
それまで見えてこなかったものが見えてくるかもしれない。
ps.
アガサクリスティを呼んでから、山村美紗を読んでいる。
アガサクリスティが中近東に傾倒した以上に、
山村美紗が京都に傾倒していることが分かれば、
それまで見えてこなかったものが見えてきているような気がしている。
海外の文学は、日本の文学を理解するための鍵であることが分かった。
どんな鍵も、回す方向を間違えれば、鍵穴を壊すことはできるだろう。