【感想・ネタバレ】転生 ~満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和~のレビュー

あらすじ

もうひとつの昭和を描く超弩級歴史大作。

――歴史に「IF」はない。しかし、戦争が終わったあのとき満州国皇帝・溥儀が日本に亡命していたら…。
作家・浅田次郎の「蒼穹の昴」の時間と空間を舞台に、清朝のラストエンペラー・愛新覚羅溥儀と溥傑兄弟の数奇な運命を余すことなく辿る完全版評伝。
関東軍により担がれて満州国初代皇帝となり、戦後はソ連に抑留後、戦犯として中国へ送還、中国共産党の熾烈な文革の嵐にさらされた溥儀。一方、日本人の妻を生涯愛し、終戦直後に生き別れとなるものの、のち奇跡の再会を果たした弟・溥傑。ふたりの人生は、日本と天皇家の「昭和」を裏側から照射する。
『昭和解体』『暴君』という大著で知られざる歴史のディテールを描く第一人者の牧久が、“もう一つの昭和史”に挑む。

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Posted by ブクログ

【歴史とは物語である、といわれるが、溥儀、溥傑を取り巻く人間ドラマは、虚構の物語の世界をはるかに超えている】(文中より引用)

清朝最後の皇帝であるとともに、満州国の初代にして唯一の皇帝として担ぎ上げられた愛新覚羅・溥儀とその弟の溥傑。壮絶な人生を歩んだこの2人を軸としながら、戦前・戦中・戦後の日中関係、そして満州国の存在を振り返った歴史ノンフィクション大作です。著者は、『昭和解体』、『暴君』などで知られる牧久。

現代日本にとっては遠い存在となり、なんともすれば忘却の彼方に追いやられようとしている満州国の歴史を、愛新覚羅家という内側から活写することに成功した傑作。あまりに深く折り重なる歴史のドラマにため息すら覚えるほどの重厚さでした。

戦後のエピソードはほとんど知らないことばかりで刮目させられました☆5つ

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2022年12月13日

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