あらすじ
クラスになじめない高校生・藤枝蒼。彼は放課後通い詰めていた地元の図書館で、一人の少女と出会う。
「私の名前、教えてあげよっか」
「いいよ、別に」
日高咲良と名乗る彼女は、明るく屈託がなくよく笑う、蒼と対照的な少女だった。通う高校も違えば、家も知らない。接点は、放課後の図書館だけ。共通の話題すらないままに、なぜか咲良に惹かれていく蒼。しかし、蒼と咲良、ふたりには人には言えない秘密があった――。
「やっぱり君、変な人だね」
その出会いはやがて、恋へと変わる。少しずつ、歩くような速さで。きっと誰もが憧れる、最高にピュアな青春ボーイミーツガール。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
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Posted by ブクログ
これただの仕事一方的にちょっかい出してくる女の子の話なのかなあと思ってたら「ごめんね」の一言から全く異なる方向に展開していきました。笑うことを忘れた主人公と泣けないヒロインの物語。
Posted by ブクログ
ライト文芸のような文体で、景色や心情を書いてくれる作品でとても読みやすかったです。徐々に前向きになっていくあお君が、眩しくてかっこよくて真っ直ぐで、素晴らしい主人公でした。また、さくらちゃんはあお君の前では明るい自分を演じていて、本当はとても無口で悩みを一人で抱えてしまう女の子だった。というのが良いなと思います。
どこかにはありそうな青春で、日常で、壮大ではない作品です。魔法も技も出てこない。でも、だからこそ響くものがありました。素晴らしい作品でした。
Posted by ブクログ
笑い方を忘れてしまった、藤枝蒼。そんな彼を笑わせたいと言う、日高咲良。そんな彼ら二人による、ピュアで不器用な、心温まる青春物語。
登場人物が少なく、各登場人物の心情や機微が丁寧に描かれるため、ゆったりとほのぼのとしながら楽しめ、また、前向きになれる作品でした。