あらすじ
正子は75歳の元女優。CMで再デビューを果たし、順風満帆かと思いきや、ある出来事で事務所を解雇され、急きょ、お金が必要な状況に。周りを巻き込み逆境を跳ね返す生き方はマジカルグランマ(理想のおばあちゃん)像をぶち壊す! 第161回直木賞候補作。
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Posted by ブクログ
2024年
鑑賞作品 No.41
この本を読んで何を感じた?
そう聞かれたら迷わずこういう。
右ストレートがクリーンヒットしたような痛み
そのあとから少しずつ湧き上がってくる爽快さ
読み始めた当初、何か違和感を感じていた。
何かが他の小説と違う…
でも、その“何か“がわからない。
そして途中で気づく。
そう、
その“何か”が“マジカルグランマ”であるということに。
無意識に、小説に出てくるおばあちゃんは優しくにこやかで登場人物たちを温かくサポートする脇役だ、という偏見に満ちていた。
しかし、主人公の正子は見事なほどに真逆。
俳優である正子は、自分だけが特別で輝くことを望み、ちやほやされる他人に対して異常なほど嫉妬し、目立ちたがり屋で、自分勝手で、わがままで、夫への愛はなく、助けを求めてやってきた夫の知り合いだという高校生を追払い、結局家の滞在を許すが宿泊料は徴収し、義母や夫の残した遺産をメルカリで売り払って金に換えるなど、やりたい放題。
こんなおばあちゃん主人公は初めてだった。
自分が心のどこかで期待していた主人公は、もっと優しく謙虚でおしとやかなおばあちゃんだったと気づかされる。そして、そんな人間はこの世にはいないということも。
私たちが目を逸らしている、もしくは気づいていない社会の偏見に、否が応でも向き合わさざるを得ない。
誰しも、
人に褒められることは嬉しいし、
他人に嫉妬するし、
お金はほしい。
嫌いな人もいる。
だから、人は、白でも黒でもなくグレーなんだ。
私たちは曖昧なものなんだと、貪欲でいいんだと。
読み終えて自らを省みる。
マジカルステューデント
マジカルビジネスマン(ウーマン)
マジカルサン(ドーター)
マジカルパートナー
マジカルフレンド
マジカルヒューマン
こんな生き方をしていないか…
Posted by ブクログ
マジカルグランマ期待して読んじゃったよ。
思ってたのと違う、からの軌道修正がなかなかに難しい。笑
最後まで正子ちゃんを好きになりきれなかったな。
私にふさわしいホテルは主人公好きになれてたからなんだか残念。おばあちゃんへのステレオタイプというか願望というかが私にあるせいなのかな。
正直今回は本編より宇垣さんの解説が好きだった。彼女も小説家になれそう。もう出してる?