【感想・ネタバレ】独り舞のレビュー

あらすじ

小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅(インメー)は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか――。第60回群像新人文学賞優秀作にして、芥川龍之介賞受賞作家・李琴峰のデビュー作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文体・構成の工夫と、終盤の崩しが主人公の心情と見事に響き合うデビュー作。

最近は李琴峰にはまっている。広い意味での少数派からの視点という意味で共感できる部分が多いからかな。
これで3冊目。どれもテーマが明確である。
本作品は著者のデビュー作で、セクシャルマイノリティであることの生きづらさがテーマである。簡単に言ってしまえばだが。実体はもっと深い。

文体と構成に特徴がある。
主人公は「彼女」と呼び、その他は徹底して固有名で呼ばれる。三人称の文体というわけではない。「彼女」をすべて「私」に置き換えても成立する。この文体は、自身が分裂してもう一人の自分を眺めているような感覚をもたらしているように感じた。
物語の終盤までは現在・東京と過去・台湾を章ごとに行ったり来たりする構成になっている。最後の4章でパターンが崩れ、物語は大きく展開する。この効果は絶大で、主人公の心の動きに見事に連動している。

明治の文豪が使うような難しい熟語や漢詩がときどき登場し、中国語・日本語文学への造詣の深さが伺える。
といっても文章は実に読みやすい。

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2025年09月12日

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