【感想・ネタバレ】祖父の祈りのレビュー

あらすじ

ミステリの巨匠リューイン生誕80周年記念 3カ月連続刊行企画第1弾 ウイルスのパンデミックによって荒廃した世界。治安は著しく悪化し、物資も乏しい。アメリカのある町に暮らす老人は、悪質な犯罪と公権力の横暴に脅かされながらも、娘や孫と懸命に日々を送っていたが……。巨匠リューインが真摯に家族の絆を描いた最新長篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

名前は知っていたけれど、初読みの作家。
解説は北上次郎氏、訳は田口俊樹氏というキャストからして実力作家なのだろうけど、たぶん最初はこれじゃない方が良かったんだろうなと。

パンデミック到来後の世界の未来を描いたディストピア小説。
第一章の出だしは「おっ、かっこいい家族小説か?」とも思ったのだけれど、その後は主人公の老人家族以外ほとんど登場人物が出てこない。
そしてインターネットはおろか、テレビ、新聞、口コミですら情報の流入がない世界を生きる物語。
どこまで行っても息苦しく、希望が薄い。
まぁ、こんな世界にしてはいけないという思いばかりは強く感じた。

訳者あとがきで、主人公の老人のやさしさを称えて、”やさしくなれないようじゃ、私など息をしている値打ちもなくなる”と、かのハードボイルドのレジェンドも言っていた、と引用を用いるが、「ん?これって彼のセリフだと思うけどなんか違和感」
と思ったら最近創元推理文庫で出た新訳は田口俊樹氏だたのですね、納得。(ひっそりと宣伝が含まれていて笑)

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2022年09月24日

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