あらすじ
美容整形やスマートドラッグなど、人体を改良するための技術利用は「私の自由」といえる? 未来社会や現代人の自由をめぐる、生命倫理の対話の世界へようこそ!
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Posted by ブクログ
SNSで整形を公表しているインフルエンサーや美容外科医の動画が流れてくるので、整形は身近になっていると個人的に感じている。身近だからこそ、考えないといけない問題(整形は個人の自由か等)について書いてあり面白かった。
Posted by ブクログ
体外受精で生まれた子供は14人にひとり。
エンハンスメント=強化は、生命倫理学の新しいテーマ。
治療技術がエンハンストメントに使われる。
美容整形は自由か。
親に遠慮しなければいけないか。整形は私の自由か。
自由主義社会の倫理では、①判断能力がある大人で、②自分の生命身体財産など自分のことに関して、③他人に危害を及ぼさない限り、④たとえ当人に不利益なことでも、⑤自己決定の権限を持つ。
美容整形を受けない自由にも影響を与えないか=他者による支配が作用しないか。
心のトラウマは美容整形をしても治らないのではないか。
歯列矯正をさせない親はひどい親と思われないか。
ドーピングはなぜいけないのか。
ツールドフランスのランスアームストロングのスキャンダル(疑惑のチャンピオン)。
自己決定権に制限を加えることができるのは、危害原理のみである=自由主義
麻薬は法律で禁止されているが、ドーピングは法規制はない。個人で趣味で使うぶんには問題にならない。=ドーピングがいけないのは、ルールで決められているから。
レーシックは許されているのは、ルールだから。
棒高跳びは、木の棒から竹、グラスファイバーに道具が進歩し、そのたびに記録が飛躍的に伸びた。
なぜ薬物だけが禁止されるのか。
①体に悪い(安全性)旧東ドイツの例。薬物以外でもラグビーや相撲の選手のように食事を大量にとって太るのは、どうだろうか。ボディービルダーのプロテインはどうか。安全な薬があればいいだろうか。
②ずるい(公平性)スポーツはお金がかかることでそもそも不公平ではないか。あらゆる不公平を是正するものではない。
③薬物を使うと勝利に価値がなくなる、観客の感動もなく、本人の主体性、自尊心も損なわれる。勝利をつかむプロセスにこそ価値があるのではないか。
厚底シューズや競泳用水着は物理的ドーピングか。
古代オリンピックでは、一糸まとわぬ裸体で競技していた。与えられた才能だけで勝負するべき。
ドーピング可と不可の競技にわけたらどうだろうか。
スマートドラッグは許されるか。(脳ドーピング)
①安全性=副作用、依存症、
②公平性=ずるい
③人間性=努力の価値がなくなる、薬が効いているときといないときのギャップが自己同一性を脅かされる。どちらの自分が本当の自分か。
認知能力の低下は、人格の喪失につながる。
経験や学習でも、別人化する。
スマートドラッグは、練習や経験による別人化をショートカットするもの、という見方もできる。
人間は生まれながらに能力的には不平等。スマートドラッグはそれを均すことができるのではないか。
教育機会の不均衡、経済格差を招く。新しい薬にアクセスできるのは、富裕層が先。高学歴高収入が固定化する恐れ。