あらすじ
全米ベストセラー!
頭がいい人は、
地図を描くように情報を見きわめ、
スマートな「最適解」を導いている!
* * *
「判断力が優れている人」とは、どういう人のことを指すのだろう?
ぱっと思い浮かぶのは「知的である」「頭の回転がいい」
「勇気がある」「忍耐力がある」などではないだろうか。
なかでも特に重要なのが、本書のテーマ「マッピング思考」、
「物事をまるで地図を描くように“俯瞰的に”とらえようとすること」だ。
たとえば…、
●自分の間違いに気づき、死角を探し、仮定を検証し、軌道修正ができる。
●「あの議論では私が間違っていなかっただろうか?」
「このリスクを取ることに価値はあるのか?」といったことについて目をつぶらず、率直に自問できる。
●思い込みではなく、事実とデータにもとづき、曇りのない目で物事を判断する力がある。
あなたはこういったことが、自然とできているだろうか?
物理学者の故リチャード・ファインマンいわく――
「自分に嘘をつかないことは、なによりも重要だ。だが、自分ほどだましやすい人間はいない」。
そう、私たちの判断力を妨げているものは「知識」ではなく「態度」なのだ。
近年、認知科学の研究から明らかになっていることは、
人間は自分の欠点やミスを認めるのがおそろしく下手だという事実である。
人はすぐに希望的観測に逃げ込み、
偏見や信条を肯定するような証拠だけを見つけようとする。
しかし、自分の思い込みから脱出し、真実に向き合って行動するときに何が起こるか、
その成功から何を学べるか――これが、本書のテーマである。
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
脳科学の研究から人の脳は様々なバイアスに基づいて考え判断していることをベースとして、どのように考え行動すればより良い行動をとることができるのか?という本です。目次は以下の通り。
PART1:なぜ「マッピング思考」が重要なのか
1. 人生を左右する「2種類の考え方」
2. 99%の人が「自分の壁」を壊せない
3. 「真実を見抜く目」を身につける方法
PART2:「思考の地図」を検証し、行動する
4. 知性の高い人がおちいる「認知バイアス」
5. 物事を「メタに見る」5つのトレーニング
6. 「最適解」を、さらに1歩引いて見る
PART3:「ピンチ」で問われる資質
7. いざというとき「ポジティブ思考」に頼らない
8. それでも賭ける価値があるか
9. 「謙虚さ」が強烈な影響力をもたらす
PART4:「頭のなか」をアップデートする
10. 「正しく」間違える方法
11. 「漏れ」「欠け」「穴」の見極め方
12. 「エコーチェンバー」という怠惰な誘惑
PART5:「私の意見」を軽くしておく
13. 「思考」はいかに「その人自身」になるのか
14. 「こだわり」を捨て、「視点」をしなやかに保つ
15. 「マッピング思考」は“行動のエンジン”
いろいろと書かれていますが、突き詰めると人は「守りの思考」をとりがちだが、「物事を”こうあって欲しい”という視点ではなく、まるで地図を描くように”俯瞰的に”とらえようとする考え方」である「偵察者の思考」を身に着けることによってより良い判断と行動をとることができるという点に要約されます。
「アイデンティティを軽く保つ」ことによって、自分の考えを否定されたときに守りに入るのではなく、新しい考え方の扉を開くきっかけとすること。言うは易く行うは難し。
まずは、自分の知識や考え方が偏っていることを自覚するところからはじめるしかないかと。
でも、偏っていることこそが自分そのものではないのかなあなどと思う竹蔵でした。
竹蔵
Posted by ブクログ
最近の書籍に多い、思考法やバイアスを回避するための考え方を学ぶための書籍に感じました。
ただ、マッピング思考というタイトルの通り、日常的な自分の思考・モノの見方を俯瞰的に見て全体マップを捉えるための考え方や、そうならない要因などを知ることができ、現代人に不足しているメタ認知能力を意識的に高めるためのきっかけを得られたような気がします。
・多くの人は、動機ある推論によって、自分に都合のいい/自分を正当化/自分の意見を通すために相手の意見を変えようとする/自分のアイデンティティを絶対的なものというふうに捉える傾向がある。(兵士の守りの思考)
・物事に対して、俯瞰的に捉え、全体マップを捉えたうえで、真実を把握する/相手の意見の真相を捉え、建設的な議論をする。
・兵士の守りの思考(=主観的/攻撃的/自尊的)な思考から脱却するためには、自分自身の考えが本当に正しいのか?を見つめ直し、間違っていたら素直に認めることが必要。物事をまっさらな観点で見ることが重要。
・様々な手法で物事を進めることができる現代だからこそ、マッピング思考で全体をイメージし、解決の最善策を検討する必要がある。(プロジェクトを進めるための全体像の把握)
・自分と対極的な意見を持つ人の立場になり、意見を出すことで、相互理解につなげていくことができる。
・「自分は客観的である」と思っているときこそ、マッピング思考で立ち止まることが必要。そのように思ってしまっているときこそ、バイアスが生じている。
・日々バイアスがかかっていないかを振り返ってみる。自分の意見を批判する人が現れたときは、一旦素直に受け取る。
・常識は疑う。自分の常識はもっと疑う。(ダブルスタンダード/部外者テスト/同調テスト)
・チャレンジする時は、「成功する価値があるか」ではなく、「チャレンジする価値があるか」の尺度で判断してみる。そもそも失敗を受け入れることを前提にしておく。
・何か目標を設定して、行動するにあたっては、軌道修正を行うことも必要。常に環境は動いているため、成功率を上げるために、容易な変更も受け入れてあげる。
・予測が外れても、落胆する必要はない。むしろ、新たな可能性があったことや気づきを得られたこと、自己認知バイアスが生じていたことを知ることができたことを喜ぶ。
・バイアスを解消できない場合は、対局にいる人物を変えることが有効。
・アイデンティティは軽めに持っておき、こだわらない。