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Posted by ブクログ
ネタバレ注意です。未読の方は読まないでください。
「横道世之介」を読んで感動した。おかえり横道世之介って、続編ってこと?あの作品に、どうやって続編作ると?無理じゃない、だって世之介死んだことわかってるし、謎~!と思いつつ、興味を抑えきれず買いました。
一作目は、途中で、世之介が死んで、残された人たちが回想してるんだなってわかって、じわじわ泣けてきて、ある瞬間に涙があふれてきたけど、最初から世之介が亡くなることがわかっていて、どう描くんだろう?って。
本作は、大学を卒業して、就職に失敗して、アルバイトしながら池袋の狭いアパートで暮らす世之介の物語。
バブル景気で運よく大手証券会社に就職したけど、うまくいかなかった親友コモロンと、新しくできた彼女(バツイチ・子持ち)とその子ども亮太、パチンコ屋と床屋で知り合った寿司職人の女の子との約一年間。
一作目と別の角度で、世之介が写真家になるきっかけも描かれている。
寿司職人になる浜ちゃんは、どうも修行している寿司屋でひどいいじめ?にあっているようで、それでも乗り越えて店をもつまでになった。たぶんこのスピンオフもあり得るな。
彼女の息子、亮太は、世之介亡き後マラソン選手になるんだけど、あんなに世之介兄ちゃんのことが好きだったのに、中学生になってだんだん友達との時間が大切になり、自分のためにトレーニングに付き合ってくれようとしているのに、もうめんどくさいし部活で疲れてるからいいよ、と言ってしまったことやらとともに、アメリカ合宿中に訃報を受け取ったときの回想シーンが出てくる。やっぱりここが一番泣けた。
やっぱり世之介は、一作目同様、何か特別な才能があるわけでも、人一倍努力しているわけでもないけど、すごくいい人で、周りの人たちにとって愛おしい人で、どうしても人助けをしてしまう。ごく自然に。
隼人がいなくなるところも泣けた…。
Posted by ブクログ
横道世之介
大学は卒業したものの、一年留年したせいでバブル最後の売り手市場にも乗り遅れ、現在バイトとパチンコでどうにか食いつないでいる。二十四歳。
浅賀
パチンコ屋店員。
野辺
ホストになるといってパチンコ屋を辞めた。
小諸大輔
世之介と同じ留年組で、大学の後半はほぼ二人でいたような仲。就職活動が始まると、早々と「聞いたことのある」会社に就職を決めた。独身寮の抽選にもれて、学生時代から住んでいる板橋駅から徒歩五分のアパートに暮らしている。コモロン。
浜本
世之介とパチンコ屋の新台を奪い合った。世之介がコモロンと行った居酒屋で働いている。眉毛がないので、世之介は「吉原炎上」とあだ名をつけた。世之介が行く床屋で五分刈りにした。
友永
世之介が住んでいるマンションの隣に住んでいる。美容師。
日吉亮太
東京オリンピックのマラソン代表。タイム実績では三番手の選手。三十歳。
森本淳司
東京オリンピックのマラソン代表。日本記録を持つエース。
小野功輔
東京オリンピックのマラソン代表。一万メートルから転向してきた若干二十二歳の選手。
道下公也
マラソン代表正式発表直前でバイク事故を起こしてしまい、全治六カ月の複雑骨折のため辞退した。
日吉桜子
日吉亮太の母。世之介がコモロンのアパートから双眼鏡で覗いていた。
磯子直也
アメリカの大手ホテルチェーンFのスーパーバイザーで、環太平洋地区を仕切る。
内海
浜本の弟子。
関
世之介が働くバーボンバー「ケンタッキー」の店長。
玉井創一
世之介がバイトしている会社の社長。世之介を含め総勢五名の零細企業。主にかいさんぶつをスーパーなどに卸している
早乙女
社長の右腕。経理担当。
美津子
事務全般。
誠
営業兼配送ドライバー。
坂内
世之介が行く床屋の強面の理髪師。
赤水
世之介と同じ大学で現役で公認会計士に合格した男。
クエン
パラ水泳の五十メートルと百メートルの背泳ぎベトナム代表としてエントリー。
重夫
桜子の父。自動車工場経営。
隼人
桜子の兄。
ゆかり
スナック「夢ごこち」で働いている。隼人の中学の同級生。美人。
ナオミ
護
世之介がニューヨークで世話になった。ナオミはアーティスト、護はマネージャー。
光司
中学時代に隼人と決闘し植物状態。
横道多恵子
世之介の母。
川上清志
世之介の従兄。
栗原
高校時代の同級生で、地元の大学を卒業後、福岡の法律事務所で働きながら司法試験を目指している。
後藤
桜子たちを密着取材しているディレクター。
宮原雅史
桜子の離婚した夫。
タツ
桜子の幼馴染み。シャブ中。
千夏
亮太の妻。
安藤拓真
パラリンピックのマラソン選手。視覚障害が亮太が伴走者。
真鍋
安藤のコーチ。
大路重蔵
日本写真界の重鎮。
Posted by ブクログ
前作がとても面白かったのですぐ読んだ。
前作のほうがコメディ感が強かったが、今回は世之介の成長とともに感動するような内容が増えた印象。
関わった人視点での数年後の話が定期的に出てくる構成は同じだが、前作よりもその人々に与えた影響は大きかったのか、みんなの記憶に世之介が大きく残っている。
またそれぞれの話もオリンピックのマラソンを通じて繋がっている点も良かった。
自分がダメダメな時期でも、そのダメな時期だからこそ出会える人がいて、そういった人のつながりを大事にしようと思った。
最後の、どんなに理不尽でもどんなに悔しくても善良であることを諦めちゃいけない。という言葉がとても心に響いた。