あらすじ
名探偵は……コテコテの関西弁を喋る馬!? 殺人、窃盗、金銭トラブル――小さな田舎町で起こる不可解な事件に、元競走馬と牧場の娘のコンビが挑む! 『謎解きはディナーのあとで』の著者が仕掛ける、大本命ユーモアミステリ! ●「馬の耳に殺人」田舎の乗馬クラブで起こった殺人事件。容疑者とされたのは、なんと馬のロック。本当にロックの犯行なのか腑に落ちない牧場の娘・陽子(マキバ子)に、元競走馬のルイスが話しかけてきて……。 ●「馬も歩けば馬券に当たる」マキバ子の実家である「牧牧場(まきぼくじょう)」の求人に応募してきた藤川という青年。彼がお金に困っているのには、ある理由があって……? ●「タテガミはおウマの命」行方不明だった女子高生の死体を発見したマキバ子とルイス。唯一の手掛かりは、現場付近に残された馬のタテガミがべったりとついたガムテープだった……。 ――など、全5編を収録した連作短篇集!
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Posted by ブクログ
今回の相棒は 馬です。
馬 動物です。
とうとう 動物の登場です。
ドリトル先生ですか。
馬券からみのお話 良かったです。
頼まれたのに 買わなかった。
その埋め合わせで アルバイトをする
けなげですね。
でも 最終章では。
何と 悪い青年でしょう。
魔がさしたといえ
それは いけませんね。
最後まで 一気に 読めました。
続編 出るのでしょうか。
ちょっと 期待します。
Posted by ブクログ
久々の長編を刊行したばかりの東川篤哉さんだが、新刊はまた連作短編集に戻りました。とりあえず手に取ったが、今回の探偵役は…馬???
房総の田舎町にある牧場で飼育されている、元競走馬のルイス。牧場の娘の陽子は、なぜかルイスの言葉を聞き取ることができ、会話が成立するという無茶苦茶な設定。少なくとも、馬が探偵役というミステリーに前例はあるまい。
「馬の耳に殺人」。本作中、殺人事件はこれだけ。田舎の乗馬クラブに何が起きたのか。こう言っちゃ失礼だが、ロジックの面でもなかなか練られており、感心させられた。乗馬の知識きちっと伏線になっているし。しかし何者なんだルイス。
「馬も歩けば馬券に当たる」。あるレース結果に、競馬好き青年が震えた理由とは。馬券がキーワードとだけ書いておくが、こういうケースは稀ではあるだろう。ルイスの経歴を考えれば、妙に説得力がある。ギャンブルもほどほどに。
「タテガミはおウマの命」。おい、田舎町でまた殺人かよ。今度は大学の乗馬部が絡んでいるし。偽装工作としては何とも稚拙だが、最初の「馬の耳に殺人」同様、利用される馬としてはいい迷惑である。ルイスに気持ちを聞いてみてほしい。
「大山鳴動して跳ね馬一頭」。ありきたりな話が、なぜか事件化してしまう。事件と馬の関連づけ方がかなり強引だが、当人は必死だったのだろうねえ。高校生の陽子は釈然としないかもしれないが、真相は果てさて。大人なんて汚いものだ。
最後の「馬も歩けば泥棒に当たる」。ん? 似たようなタイトルの話があったような…。青年がなぜか被害を申告しない理由とは? まあ、言えないよなあそれは。東川作品としては珍しいひねり方。ルイスと陽子の気持ちは伝わるか。
全体的に、通常運転のライトな東川ミステリーだったが、最後の企みは読めなかったな。前代未聞の馬探偵ルイスと陽子に、再登場の機会はあるか?