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海音寺版『加藤清正』の下巻。
上巻に引き続き、朝鮮出兵から。
外征に関しては贔屓目な描かれ方をしていないので、その点はいいと思います。
ただ、小説というより海音寺先生の講義・・・という感覚が否めないのも事実。それでも私は十分面白かったです。
上巻でも書きましたが、一貫して誠実な人物で描かれていますので惚れます。特に規律に厳しいこと、勤勉なこと、思慮深いことなど贔屓目もあるかもしれませんが好意的に受け取れます。
ただ、最後の方が他の本に比べて駆け足なのか、重点を置いていないのか・・・という感想も持ちます。
全体的には高評価です。
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今まで沢山の時代小説を読んできた。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康
関ヶ原の戦い、大阪夏の陣、冬の陣
いつもちらっとと登場する。
朝鮮の役での活躍が有名だが
今まで詳しい内容の小説と出合わなかった。
この作品はなかなか詳しい内容が
書かれてあって面白かった。
なぜ、加藤清正は人気があるのか?
当時の人々に愛された武将だったのですね。
石田三成との確執が、知るところだが、
豊臣家のために仲良くしていたら
大阪が首都であったでしょう
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秀吉の死によって朝鮮出兵は不毛に終わり、加藤清正と小西行長の間に対立を残した。武断派と文治派に分かれ対立し関が原を迎える・・・。家康と秀頼の対面を見届けた清正は熊本で生涯を終える。大坂夏の陣はその4年後である。
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槍をぽいっと放り出しておいて、「いざ組み打ち!」とか言っておきながら、
相手が武器を捨てると同時に、さっと槍を拾って刺した逸話が・・・
ほめるべきか、幻滅するか
それは別にして、印象に残っている。
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前半部分、朝鮮出兵時の小西と加藤のまるでいたちごっこの様な掛け合いは見ていて妙な気分になります。
ひたすら自分と三成がやらかしちゃった(ある意味)悪事を隠そうとする小西と、ひたすら命令を忠実にこなそうとする加藤。
戦国時代を勝ち抜いてのし上がってきた大名達が異国の地に行ったことによってどうしてこんなにもおかしな行動をとってしまうのか本当に理解ができません。歴史学上でも朝鮮出兵時の彼等を理解できる人はいないようですが、それにしても鬱になります。
関ヶ原が終わると打って変って清正がきらきら輝きだして、今までの鬱さがどこかに行ったように面白くなりましたよ!
必死で秀頼を守ろうとし、家康に首を垂れる姿はちょっと涙ものです。
何が皮肉かって、彼が死んだたった三年後に大坂の陣が起こり、彼がいれば大阪方が確実に勝利を治めていただろうと言われている事です。
前半部分は本当に辛かったけれど、最後は男でした。カッコ良かった。さすが海音寺さん!!
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一体、名君加藤清正はどうできあがったのか。これが後半の読みどころだ。
質実剛健にして誠実無比ということはすごく伝わってきた。さらに南無妙法蓮華経を唱える宗教心が清正を律している。それがそのまま民を慈しむことに繋がり豊臣家を安泰ならしむよう誠実に徳川家に向かい合う姿勢にも繋がっている。
関ヶ原を境に武断派から名君への道を歩いたのかと思ったが全く違うことが分かった。著者の歴史観は柔軟にして明朗なので政治の裏黒いこともあっさりしたものだ。読みやすいのだが池宮彰一郎さんも好きなものとしてはもうちょっと踏み込んで書いてもよかったかもしれない。
Posted by ブクログ
とても理性的で、感情の理由までも文章できちんと説明している。清正の本にしては小西がマシでよかったです(笑)清正は…もっと人間らしく書いてくれたらさらに好感持てたかな。素敵なんだけど、あまりに良い人で。彼と仲良しな正則と幸長がお気に入り。