あらすじ
平成20年の犯罪件数は253万3351件。被害者家族はマスコミ取材による二次被害で心の傷が癒える間もないが、実は加害者家族も凄惨な生活を強いられる。身内の犯罪を機に失職や転居を余儀なくされるだけでなく、インターネットで誹謗中傷され、写真や個人情報まで流出される。そんな過酷な現実を受け止められず、自殺する人も多い。事件への自らの非力を嘆き激しい後悔に暮れる加害者家族も多いが、そもそも身内の犯罪を未然に防ぐには限度がある。まさに他人事ではない実態を明らかにした、衝撃の一冊。
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Posted by ブクログ
加害者家族への支援が必要であると強く思わせる本。
他のレビューにもあったが、加害者家族への攻撃が事件とは何も関係のない人からも向けられる社会では加害者家族へも支援が必要かと思う。
動画サイトでコロンバイン乱射事件の犯人の母親の講演を見た。非常に興味深かった。加害者を責めても被害者は戻ってこないし、どのようにすればよかったかも多分本当には分からない。でも考え続けることをやめてはいけない。
だがもし家族などどうでもいい、と思ってしまったら、犯罪への抑止にはならないのではないだろうか。
Posted by ブクログ
排他的で偏見に満ちた思想、鬱屈した社会のストレスの捌け口、日本人の心の余裕のなさを感じた。
アメリカでは高校で銃乱射事件をおこした犯人の母親の元に電話やダンボール2箱分の手紙が届き、その内容はどれも加害者遺族を激励するものだったそうである。
日本も見習うべき、とまでは言わないが、国民性でここまで違うと言うのは非常に興味深い。
殺人事件で旦那が逮捕され、小学校低学年の息子を守るため、転校を繰り返させなければならない妻。友達にさよならを言わせることすらできない。
最後に学校を見たいと言った息子を真夜中の小学校の校庭で遊ばせる描写に心が痛んだ。
また、家族間で殺人が起こった場合には加害者、被害者両方の家族になってしまうという。夫が借金を苦に自殺を図ったが、失敗して植物状態となった。維持するには一日に30万円かかる。絶望する妻に夫の母は何も心配しなくていいと言い、そして、実の息子を殺害した。本書で主に挙げられている凶悪犯罪とは違う重苦しさがあった。
ただ、もうひとつ思うのだが、本書で挙げられた加害者家族はどれもひどく反省して、世の中からの批判を当然のものとして、自分を責める、という家族ばかりだったが、開き直って反省しい、逆ギレするような人間もいるのではないだろうか?
でも。
加害者家族の辛さはわかるが、加害者当人ではないのにマスコミに追われて怯えて暮らしてると
言われても、被害者家族はもっともっと辛いし、早く忘れたいって。。。
結局名前を旧姓にしたりしてばれずに生活してる時点で
ならいいじゃんってなる。
被害者家族と加害者家族をくらべるのが間違いだけど、
うーーーん。もっとしっくりきたり、新たな発見や訴えるものがあると思って買ったけど。
買ったけど、後悔。