【感想・ネタバレ】フィンランドの教育力 なぜ、PISAで学力世界一になったのかのレビュー

あらすじ

OECD学力調査(PISA)で世界一を誇るフィンランド。彼らはなぜ学力が高いのか。その理由を、フィンランドの小学校教師で二児の母である著者が語る。「宿題なし」「落ちこぼれなし」は本当なの? 家でのしつけは? 日本の家庭でできるアイデア満載。

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Posted by ブクログ

未就学児の親の目線で読みました。
日本では教師になりたい人が減少傾向にあり教師の質が下がっているそうなので、それを引き上げるには何が必要なのかヒントを探しましたが決定的なものは見つかりませんでした。
フィンランドの教師は時間割や教材などたくさんの裁量があり、高学歴でなければなれない職種になったため憧れられる職業であり、良い人材が集まっているように書かれていました。
しかし、裁量が大きくなるほど仕事量も増えているようです。
日本での教師志望者が減る理由は、業務時間の長さとモンスターペアレント対応など仕事の多様化が原因かと考えますが、その点についてはフィンランドでも状況はあまり変わらないように思いました。

スムーズスタート制度というものはとても面白そうでした。
小学校一年生は1クラスを8-12時グループと10-14時グループの2グループにわけて授業をおこなうというものでした。
学力でグループ分けをしますが、親へはきちんと説明すれば苦情はこないとのこと。
小学一年生は学力の差が激しく、ABCを書けない子もいれば、ハリーポッターを読める子もいるため一緒の環境で勉強させることは難しいと聞き納得しました。

フィンランドの学習面での平等とは学力差を埋めるよう各々に合った学習方法を割り当てることのようです。そのため、落ちこぼれが少なく全体的な学力が高いようです。
日本では同じ内容の学習方法を割り当てることを平等と捉えてるように感じます。
また、フィンランドでは勉強が得意な子が苦手な子を教えるよう先生がお願いすることもあるようです。
教える行為自体が教える側の子の記憶定着になるだろうし、子ども自体も先生の手助けができることに喜びを感じ、先生としてもマンパワーが足りないので一石三鳥のいいアイデアだと思いました。

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2021年09月22日

Posted by ブクログ

フィンランドに興味があって読んだ本ですが、教育について深く考えさせられました。フィンランドの国民性は子供の頃から培われた賜物ですね。国がそれを保証して尽力しているのが素晴らしい!

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2010年04月13日

Posted by ブクログ

もし子供を産んだらどんな躾や教育をすればいいか、教師の立場で教えてくれた。現場の生のコメント(しかもフィンランド)は新鮮。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育環境が知りたくて。

子どもひとりひとりにあわせて、環境を整えてくれるのは、柔軟でうらやましい。
先生の負担が大きく、また、先生による違いも大きいだろうが、
だからこそ責任感も強くなると思う。

この本には、各科目の進め方や生徒との付きあい方は書いてあるが、
たとえば、フィンランドは暗記で進める試験ではなく、理解をまとめるエッセイ式だ、などのことはあまり書かれていない。
そういうことがもっと知りたかったなぁ

フィンランド人は、母語を大切にする一方、ほかの人とコミュニケーションがとれるよう他言語にも力を入れている。また、社会情勢にも気をつけている/フィンランドは、教師のレベルが高く、教育費が無料で、教育での地域間格差が少ない/大学院まで無料/大学のカリキュラムがおもしろかったという筆者の感想が、とてもうらやましい/フィンランドでは、担任がクラスの生徒の個性を理解している→個人を大切にし、授業を退屈に感じる生徒をつくらない/大学の参考書は英語の原書が多い/親から子どもにおうかがいをたてすぎない。車の購入など、大人の話は大人だけで決める→リーダーをわからせておく/子どもには機嫌の悪い日がある/刺激的なニュースは夜に見せない

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2015年09月21日

Posted by ブクログ

フィンランドの現場の教師なので説得力がある。学力世界一は政府の教育政策もあるが、現場の熱意が支えたのだ。教師の自由度が増すと実は大変しんどいが、モチベーションが上がるのはうらやましい。そのフィンランドで最近学校に行きたくない子どもが増えているという結びが気になった。

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2014年06月18日

Posted by ブクログ

日本との大きな違いは,
・授業料,教材費,カフェテリアのランチまで全部無償。
・教師個人の裁量で教材を選定できる。日本では学年で揃えるのが一般的である。
・高校入試がなく基本的に地元の高校に進学。
・大学試験を受ける資格を得るための試験がある。
・大学1年生で3~4週間実習,主に観察をする。
・最終年の5年生で1ヶ月の教育実習を2回経験する。
すべて日本に取り込むことはできないし,参考にならない部分の方が多い。しかし,この著者の考えには共感できる部分がいくつかあった。

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2014年03月07日

Posted by ブクログ

 夫の仕事の都合で日本に住んでいるフィンランドで小学校の教師をしていた女性へのインタビューを元に書かれた本です。フィンランドの小学校の実態がよくわかる。
 現場の教師に多くの権限を与え、かつ、ソーシャルワーカーや心理学学者、看護師等からなるサポートチームが教師を支援しつつ、課題に対応する仕組みが非常に印象的だ。
 フィンランドの教育の中身はいたってオーソドックスで、基本に忠実な内容である。重要なポイントは教師に多くの裁量を与え、現場で工夫することを奨励していることだ。教科書も学校単位ではなく教師個人が選択できる。
 フィンランドでも広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害など行動に問題を持つ子供が増え、特別支援教育の教師と特別支援学級の需要が毎年増加しているそうだ。日本でも同様の問題が起こっているであろううが、サポートチームも特別支援教育の教師もいない現状では問題は深刻化するだけである。現実を見据えた教育改革が必要である。

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2011年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
OECDによる学習到達度調査(PISA)において、2003年に続き、2006年でもフィンランドは好成績を収めた(科学リテラシー1位、読解力2位、数学的リテラシー2位)。
日本におけるゆとり教育の見直しのきっかけとなったPISA2003年調査の結果発表以降、フィンランドの教育への関心は高い。
フィンランドの小学校教諭で2児の母でもある著者が、フィンランドの教育現場を語る。

[ 目次 ]
第1章 PISAが証明した世界一の学力
第2章 優秀な教師は、こう育てられる
第3章 いかに子どもにわかりやすく、勉強を教えるか
第4章 よくできている現場のサポートシステム
第5章 教師は、マルチ・タレントでなくっちゃ
第6章 日本で暮らして、感じたこと

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年06月07日

Posted by ブクログ

教育関係者、親いずれも興味を持てる本だと思う。
教育というのは学力ではなく人間力を育てること、そうすればおのずと学力も付いてくるということを教えてもらえた。
日本の教育環境の荒廃は何とかしたいものだ。

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2010年07月21日

Posted by ブクログ

フィンランドと日本の教育を比べながら読んだ
一概にどちらがいいとは言えないと思った。

ただ、教育は価値のあるもの、達成すべきもので「自分のスキルをよりよいものにしたい」と誰もが考える。そのためには学ぶこと。人生とは学ぶこと。自分の人生をよりよくするために学び、思い描いた人生を手に入れるために、学ぶことから始める。

この言葉にすごく共感した。
子どもたちにも伝えたいなぁ〜。

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

フィンランドの小学校で教員をしていた女性にインタビューしたものをまとめた本。

手厚さは耳にしたことがあるが、それ以外の面、例えば子どもの様子や教室での出来事は、国が違っても同じような雰囲気なのだと思った。

同業者が読めば、そう、それが大変なんだよ!と
同業ではない人が読めば、教師の大変さが少しわかるかも?

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2018年02月10日

Posted by ブクログ

 夫の転勤で日本に移住しているフィンランドの小学校(低学年)の先生が、フィンランドの学校の様子や先生の仕事を紹介するもの。教育には門外漢のインタビュアーに、著者が答える形で書かれた本らしい。
 サブタイトルは「なぜ、PISAで学力世界一になったのか」となっていて、本の帯にも「学力を伸ばすフィンランドの教育現場の知恵」と書いてあるが、読んでみると著者の体験談をつらつらと話しただけのものだった。要するに、フィンランドでは勉強が価値あるものとしてどの人にも了解されているという点が最も日本と異なる事情だろうと思う。その他の話は著者個人の経験を出るものではなく、タイトルから想像されるような教養新書としては、だいぶん物足りない感じを受ける。あと直接関係ないこととはいえ、「~だわ」のような「女ことば」の訳出がだいぶ気になってしまった。(13/05/01)

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2013年05月03日

Posted by ブクログ

日本の教育というものに疑問を持ったため、購入したものです。ネイティブの方の記述なので、好奇心をそそられました。

北欧の文化には多少の予備知識があったつもりですが、こうやって「教育」という重要な分野に絞ってみると、自分の無知を感じます。

子供って何?その理解なくしては教育は始まらない。
基本に立ち返って、子育てをも考えるきっかけになりました。

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2012年02月28日

Posted by ブクログ

夏休みに宿題のないフィンランドの学力がなぜ世界一なのか。
そのヒントが書かれた1冊。

・教育現場(学校・教師)が教える内容・方法を決められるようになり、授業を工夫できることで、教育レベルがあがった。
(教師になるには修士号が必要)
・子供たちを観察し、それぞれの力を引き出す教育法をすることに重点がおかれ、出来る子が退屈することや、落ちこぼれが放置されることがない。
・それを支えるのは、教師のやる気を引き出す裁量権の委譲と、教師をサポートする保健師・ソーシャルワーカーの存在。

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2011年09月30日

Posted by ブクログ

前々から興味があったフィンランドの教育。
日本との違い、フィンランドの教育の特徴とはなど
興味があったので読んでみた。

要約するとフィンランドの教育の秘密を要約すると
①教師のレベルが高い
②子ども達1人1人がよく本を読み、そこでえた知識を家族や友人と話す。
③国民性として母国語を大切にしている
である。

やはり本を読むということは大切であるということを再認識した。
問題はどうやって子供たちに本を読ませるかである。

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2011年07月06日

Posted by ブクログ

主にフィンランドの教育について語っている本。

この本を読んでいると、日本との大きな教育体制の違いに気が付かされます。

例えば、学費。
フィンランドの教育費は無料だそう。これは資源をあまり持たず、人口も決して多くないフィンランドだから、人材育成の観点からそういう風になっているとのこと。

それともう一つ大きく違うと思ったのは、学生への支援体制。
それぞれの習熟度に合わせて、クラスが選抜されます。
いわゆるペースの違いがあるので、人に合わせるということ。
日本でもそういう学校が出てきてますが、フィンランドにはまだまだかなわないなぁと思います。

日本だと最近は、先生側のやるべきことが多すぎると言われてますが、フィンランドはそういう現場でのフォローも手厚くされていて、働きやすい環境が作られています。

日本の教育が悪いとは思わないけど、さらによくしたいと考えるならば、一読するべきだと思います。

何か参考になることもあるかもしれませんね。

これからは学校に行きたいと思える、いわゆる「楽しい学校づくり」がとても大切だと感じました。

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2011年04月03日

Posted by ブクログ

29歳の教育大臣が行った教育改革がPISA学習調査に大きく影響を与えたと感じる。特に、現場へ裁量権を与えたことが大きいだろう。この本を読む限り、フィンランドが特別な教育を行っているわけではなく、教育の基本をしっかりと指導しているだけ。ガイドラインはあるものの先生方が独自に考え授業を展開していくだけだと感じた。しかし、そこには行政からの手厚いサポートや、家庭での教育習慣がある。そこが日本と違う。また、大学院まですべて無料という環境は、一度職についたとしても再チャレンジが出来る。教育が無料であり、しっかりとした教育を学校が行うということは、勉強してなりたいものになる。努力してなりたいものになれるという体制がはっきりしている。そういう社会構造が学習という環境に影響を与えているのではないだろうか。フィンランドの体制を全て取り入れる必要はないと思うが、日本の教育環境をもう一度考えていく必要があると考えさせられる一冊であった。

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2011年02月23日

Posted by ブクログ

フィンランドでの教育現場の様子がとてもよくわかります。教師達の工夫や努力もよくわかりました。私は母としての著者の日本での暮らしや子育てについてなどを特に興味深く読みました。日本の運転免許試験所で見せるビデオについてのコメントについては同感です。

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2012年02月18日

Posted by ブクログ

「神様は何でもできるのに、どうしてアフリカには飢餓があるの?」
そういった子どもの疑問を一緒に考えていく教師の姿が見えました。子どもに対して、「私も分からないから一緒に考えよう。」という接し方を、私はいいなと思います。

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2010年01月04日

Posted by ブクログ

PISAの結果で世界一の座を獲得したフィンランド。国としての教育対策が興味深い。国が保障している内容がすごい。
しかしこれは、小さな国ならではのお金の掛け方だなぁと思ったのも正直なところ。
日本は「適当」なところがいかんやも。授業をする方も、それを受ける方も。適当にやっていても過ごせてしまうところに問題がある気がした。
先生としての言葉は日本と全く変わらない!教育って世界共通のものなんだと実感した。
先生に求める能力の一つ、「自分が何をやっているかきちんとわかっていること」は目からうろこ。

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2009年12月28日

Posted by ブクログ

学力低下が話題になる中,フィンランドの教育が注目されているのは周知の通り。この本では,フィンランドで小学校教師をしていた著者が、フィンランドの学校で実際にどのような教育が行われているのかについて語っている。フィンランドでは、どのような教育を行っていくかについて個々の教師に大きな裁量が委ねられており,そのために、養成・研修の段階で非常に高度の専門的力量の習得を要求されているということである。現在すすめられている我が国の教育改革は、その出発点の一つが「不適格教員の排除」だったように、残念ながら教師に対する社会からの厳しい視線が背景にあるように思う。力のない教員に研修を受けさせるという発想だけでなく,職業としての教師の社会的地位を高め、教師自身の自覚と社会からの信頼を取り戻していくために何ができるかを考えることが最も重要なのではないかと感じた。(菅)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

フィンランドの教師が、フィンランドの教育現場を語る。
先生はだれよりも子どもたちの見本でならなければならない。
教育に携わる方々にはぜひ呼んでいただきたい一冊。

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2009年10月10日

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