【感想・ネタバレ】製造現場を守る7箇条 ストップ品質不正のレビュー

あらすじ

無理な目標、職場の格差、多重兼務、権限長期化…
「デキる社員」が不正の温床
防御のカギは現場が握る!

完成検査員以外の検査員が完成検査を実施するなどしていた日産自動車、鉄道車両用空調装置の一部で購入仕様書の記載とは異なる検査を実施したり検査自体を実施しなかったりしていた三菱電機…。日本を代表する名門企業で大規模な品質不正事件が相次いでいる。
こうした品質不正の典型的なパターンは、経営陣が無理な業績目標を立てることから始まる。結果、現場に無理を押し付けて、「問題があれば現場で解決せよ」と圧力をかける。このような会社では無理な業績目標を達成するために、生産性を重視する一方で、無理な人員削減を実施する。すると当然のことながら、生産計画にはゆとりがなくなり、そのしわ寄せが検査部門へと波及。そこは、検査体力の弱い体制になり、品質不正に手を染める。しかも、こうした検査部署の人員配置は大概固定的なため、閉鎖的な組織となって品質不正を隠しやすくなっている。
本書では、こうした品質不正が起こる背景・理由を分析しながら、現場のマネージャーや技術者が品質不正に陥らないためのポイントを解説する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 製造業に蔓延る品質不正。知らないうちに不正に加担している場合もある。この本は、企業に起こる品質不正を発生のメカニズムから検証し、品質不正が起こりやすい組織を紹介している。さらに、品質不正の発生を防ぎ、製造現場を守る手法の7箇条を章ごとに解説されている。
 「はじめに」の項で、品質不正の多くは検査不正であり、検査部署での発生がほとんどであると記され、その原因は、強い製造部署と弱い検査部署との格差の問題であると述べられている。この文章だけで私は衝撃を受けた。まさに私が働いている職場そのものだからである。
 さらに、無理な目標、職場の格差、多重兼務、権限長期化、各種ハラスメント等、全て共感できる問題だらけだった。
 品質不正発生のメカニズムはどんな企業でもあり得ることで、事象がはっきりしているので対処法もわかりやすく解説されている。
 まず、自分が不正に加担しないように、今携わっている開発業務に関して、本書でも触れられている技術者倫理を重視した行動をとり、技術者倫理について再度学習していき、周りに訴求していく。

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2023年06月02日

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