あらすじ
来日中のアメリカ副大統領が日本人夫婦を射殺し、その住居に立てこもった。前代未聞の事態に苦慮した日本政府は、その「現場」をアメリカ領土にすべく、「アメリカ大使館別館」を作ってしまう。日本なのに、パスポートが必要な生活に戸惑う近隣住民。そんななか、大使館別館に隣接するアパートの住人、緑川母娘の部屋にやってきたのは…!?
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Posted by ブクログ
「アメリカという国は己れを守るためなら他の国を滅ぼすことも辞さない国」
というずばり本質を突いたところが優れている。
どれだけの国が、アメリカの横暴に泣いたことだろう。
それを、真正面から直球で投げたところがすごい。
それでいて、最後はさらりと批判めいたことを書かないのが赤川次郎流なのだろう。
あくまで題材として取り上げただけで、社会派として書いたのではないというような言い訳。
そこが赤川次郎の可愛さなのだということが分かった。
正面から取り上げているにの、正面から受け止めてもらえないように書き終える。
これも処世術なのだと理解しました。