【感想・ネタバレ】決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月のレビュー

あらすじ

辞任させられたCEOが挑んだ勝ち目のない戦いは類例を見ない大逆転劇を生んだ。ドラマよりドラマティックな企業ノンフィクションの新たな傑作!

コーポレートガバナンスとは何か?
会社とは誰のものか?

(目次・抜粋)
第一章 霹靂
LIXILグループの社長兼CEOの瀬戸欣哉のスマートフォンが突然鳴った。「急な話だけれど、あなたには辞めてもらうことになりました」

第二章 齟齬
なぜ瀬戸は辞任させられたのか。取締役会議長で、事実上のオーナーである潮田洋一郎とはいくつかの点で経営への考え方が異なっていた。

第三章 真相
電話での「通告」から四日後、CEO交代を発表する記者会見は異様な雰囲気に包まれた。その日の晩、瀬戸の事実上の解任の経緯が明らかになる。

第四章 波紋
瀬戸の辞任劇を異常なことと感じ、LIXILグループの幹部、マスメディア、機関投資家など、社内外の関係者が動き出した。

第五章 決断
第六章 蜜月
第七章 反骨
第八章 仰天
第九章 秘密
第十章 共闘
第十一章 布告
第十二章 集結
第十三章 正義
第十四章 援軍
第十五章 混沌
第十六章 深謀
第十七章 激突
第十八章 敗北
第十九章 不屈
第二十章 奇跡

ついに運命の日は来た。二〇一九年六月二十五日、LIXILグループ第七十七回定時株主総会で待っていたのは信じられないような大逆転劇だった。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

実際に2018年に起きたLIXILでのCEO解任劇のドキュメンタリー。
LIXILはトステムとイナックスが対等合併してできた会社(他3社)だが、実質はトステムのほうが影響力があった。そのトステムの創業家で株式を3%所有している潮田氏が自身の私利のために会社を利用するために、モノタロウから招いたCEO瀬戸氏を突如解任するところから本書は始まる。

瀬戸氏は住友商事からモノタロウを創業から上場まで果たした人物で、このまま下がって別のオファーを受けたほうが、キャリアにも傷がつかず、金銭的、体力的、時間的にも合理的だったはず。

だが、自分の信条「Do the Right Thing」を貫くために、勝率の低い戦いに挑むことになった。

実際に、株主提案の取締役が承認されることは少ないらしい。

コーポレートガバナンスを学ぶのに良いと聞いたが、どのようなサポート会社が動いているのか(弁護士事務所、IRサポートなど)実名と日付入りなので、臨場感もあり楽しく理解できた。

以下、指名委員会等設置会社について

設置組織:
・株主総会
・取締役会(3名以上、社外取締役が過半数):監督
 取締役は業務を執行しない。監督する。
 取締役会の中に3つの委員会を設置
  指名委員会
  報酬委員会
  監査委員会
・執行役:業務

特徴:
・代表取締役がいない
 代表執行役、執行役がいる
・監査役がいない
 会計監査法人設置義務

指名委員会等設置会社は取締役が多くなり企業負担が大きい。
そのため、指名委員会と報酬委員会がない監査等委員会設置会社もある。

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

傍から見てこんなに面白い話はないというくらいな逆転劇。瀬戸氏側に立ったストーリーなので、潮田氏側からはどういう言説が語られるのか興味深くはあるが、瀬戸氏側視点が圧倒的に正しいと思わせる説得力があった。
企業の経営層の内部の実情は伏魔殿なのだなといろんな企業関連の本を読むと思う。
バーバラ・ジャッジ氏がフィクサーな感じで、なぜこの人が社外取締役として変な動きをするのか疑問だった
騒動の1年後に亡くなっているのを見ると、とっくに限界だったのではと思い、それでも本能的に権力にしがみつく姿に暗澹たる気持ちになった

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2024年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真実は小説よりも、、、

ページをめくる手が止まらなかった。

瀬戸さんの胆力、人望、これまでの「do the right thing」に従った実直な行動が、吉野さんをはじめとする沢山の人を惹きつけ、ワンチームとなって巨悪を倒した!

自分も機関投資家の1人として、ISSやグラスルイスのレポートにそのまま従うことが殆どだが、それを覆して50%超の賛成を瀬戸チームの力は、本当にすごいと思った。

瀬戸さんが社長をするLIXILの株は成長間違いなし!と言いたいところだが、インフレや利上げによる不況見込みで簡単には行かなそう。でも、方向性は間違っていないと思う。
ただ、あまり株が上がると、背任、犯罪者であるはずの潮田一族が保有している株が巨額を益を持ってしまうのが、なんとも歯痒い。。。

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2022年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ただ創業家というだけで会社を私物化した潮田氏は酷過ぎるが、それを健全化するのは簡単なことではないことがよく分かった。

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2024年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作品は一般的にはノンフィクションだが、圧倒的なドキュメンタリー作品だった
外野から見ていたにすぎないが、瀬戸さんの情熱にはとても感服した
このLIXILの件は、いまの社会にはよくあることだと思うが、ほんとうの正しさは実行されないんだなと強く感じた。
でも唯一あるのは、特定の個人の恣意的な事に公的な会社を使ってはいけない、ということ。
恣意的な思いがある人は、自分でその世界を造ればいいんだといのは、本作から学べた。

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2023年01月27日

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