【感想・ネタバレ】虎を追うのレビュー

あらすじ

三十年前、人々を震撼させた『北簑辺郡連続幼女殺人事件』。死刑が確定し収監されていた二人組の犯人の一人が獄死した。当時、県警捜査一課の刑事だった星野誠司は、冤罪の疑いを捨てきれずにいた。引退した今、孫の旭とその友人の協力を得て再調査へと乗り出してゆく。ネットを駆使して世論を動かす中、真犯人を名乗る人物が、新聞社に新たな証拠を送りつける――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

まずおじいさんと孫のバディが良い。
仲間が増える過程やそれぞれの得意分野で追い詰めていく様もワクワクする。
真犯人逮捕もすっきり。やはり自己顕示欲は身を滅ぼすよねと。
ドラマとかで見たいなあ。
(ただ、子どもが被害にあう描写はいつもの櫛木作品ですし、理解され難い病気や生育環境はしんどい)

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者さまがおっしゃる、爽やかな、と言うの、まあ、無理がありますが、確かに主人公が、皆、前向きな作品ではあります。

この作者様の作品は、案外好き嫌いが、別れると思いますが、私は近年の作家さんとしては、大好きです。

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2022年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

30年前の幼女連続誘拐殺害事件の死刑判決の確定した犯人の内の1人が拘置所で死亡した新聞記事を読んだ主人公が、その事件の犯人に違和感を抱いた過去を思い出し、孫の旭や旭の友人の哲、知人の小野寺記者達を巻き込んで真犯人を追うストーリー。伏線の回収もしっかりされていて、とても読み応えのある作品だと思います。

ところどころ残酷な描写のシーンもあり、そういうシーンは、本当に女性の作家さんが書いたのかと思った位読むのが辛かったです。

この作品の中では、様々な人間の歪んだ愛情や犯人の自己顕示欲の強さ、自尊心の高さ、周りの人間の愛情を利用する姑息さが上手く表現されているなと思いました。人は誰でも間違うけれど、愛情の表現仕方を間違うとこういうことにもなるのか、そして育っていく段階で1人の人間の人格が良いようにも悪いようにも形成されていくなら、成育環境とか周囲の人間の責任って重大なんだなと、この作品と近年のイジメによる事件の報道などを思い出してそう感じました。

終盤では真犯人が捕まり、その生い立ちや冤罪で捕まった亀井戸さんとの関係性などが解り、スッキリしましたが、最後のページでいつか模倣犯が誕生しそうな不穏な気配が…。怖い。少々重たいお話だったので、次はもう少し軽い作品が読みたいと思いました。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少しずつ少しずつ過去に近づいていく。

元刑事とその孫と友人たち、ネットを駆使し、雑誌、マスコミも協力する。
お互いの足りない部分を補いつつ、自分達がやれる全てのことを注ぐ。

何故、亀井戸は、伊与と共に過ごすことを選んだのか、死刑囚になってしまっても守りたかったものはなんだったのかなど…。
一気読み。

タイトルの「虎」の意味もわかる。

愛情表現、伝え方、守るもの、守り方の間違いが起こす悲劇。

それぞれの成長、家族間の問題なども変化したり、事件解決でスカッとしたけれど、そのままで終わらないところがなんというか…。

予備軍はいるということ、怖い現実…。

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2022年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者さんが「後味の悪くない、ザッツ・エンタテイメント」と形容していた、らしい(解説より)。そして『それだけでは終わらせないという意図も見える』(解説 千街晶之さん)。

うーむ。まぁ読後はさほど悪くない。
事件は解明され、冤罪は晴れ、罪を犯した人間は捕まり、警察内部(一部)もヒトの心を取り戻しお沙汰を待つことになった。

・・のだけど、如何せん、読んでる途中がちょっと・・キツかったなー。
他の人も書かれていたけど、合間に挟まってる犯人視点の描写がなかなか読むの辛かった。それがなくても遺体の損傷の描写を読めば大体何をされたか想像できてしまうのに、わざわざ現在進行形で読むのがちょっと・・犯人につながるヒントがあるかも?と思って、目は通していたけれど。

そもそも、犯人のその時の心情を読んでも理解できるはずもなく。
ターゲットの年齢は犯人の過去に由来した・・のかもしれないが、中盤以降の『女の子は痛く罰する』とか『誘ってくるのが悪い』とかの思考はどこからきたのかといえば、性癖(先天的)としか言いようがないのでは。
いつもこの手のお話読むと、犯人のあまりの生育環境の悪さ(運の悪さ)を呪うしかなくて、なおさら哀しく辛い。でもそんな過去でもまっとうに生きている人はいるのだから、犯罪おかす理由にはならない!

誠司じいちゃんと孫、友人、TV局員、ジャーナリスト・・とどんどん輪が大きくなって協力体制が整っていくのがワクワクした。現代の情報の流れ方、どんな手段を使ってどんな層にどんな情報を流せるか、流したいか、その辺りが現代的ですごく面白かった。まぁそこまでうまくいくのかなーというのはあったけど。。
最近観るドラマでも、ワルモノの悪事を暴く場合、録音したものを証拠にするのではなく、もはやLIVE配信を直接大衆に見せる方が多くなってる気がする。
昔はネットの情報がリアルに出てくるまでに時間差があったし、嘘かほんとかの精査にも時間がかかっていたけど、今は全然すぐ。
でもそれが嘘だった時もリアルに反映されるまでの時間が短すぎる。

トゥレット症候群の話も面白かった。発達の過程で発話できない、のはよく聞くけれど勝手に言葉を発してしまう、という症状もあるのだなぁ。
生きづらさを抱える2人、読みながら「夜が明ける」(西加奈子さん)を思い出してた。

「それだけでは終わらせないという意図」が、もし哲のことだったら嫌だなーと思ったけど、杞憂だったw

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2022年07月16日

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