【感想・ネタバレ】黄蝶舞うのレビュー

あらすじ

平清盛が保元・平治の乱を制し、源義朝を死に追いやったのは有名な史実だ。そして嫡男・頼朝が囚われながらも死を許され、伊豆に配流になったのもよく知られる。清盛亡き後、頼朝は平氏を滅亡させ、鎌倉幕府を開いた。史上初の武家政権。しかし、初代頼朝・二代頼家・三代実朝ら3人の源氏の将軍は、いずれも悲劇的な死を遂げている。その数奇な因果は何を物語るのか。本書は、代表作『君の名残りを』で、タイムスリップ青春小説として平家物語の時代を描いた著者が、源家三代の将軍と、頼朝と北条政子の娘・大姫、実朝を暗殺した頼朝の子・公暁の5つの死を、妖しくも幻想的に描く連作時代小説である。死してなお続く清盛と頼朝の葛藤と、史書も記録しない頼朝の死の謎を描いた「されこうべ」をはじめ、実朝の死への道行きに寄り添った表題作「黄蝶舞う」など5篇の幻想譚を収録。ミリオンセラー『四日間の奇蹟』の著者が挑んだ新境地。解説:末國善己。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

平安時代というよりも、血に呪われた鎌倉時代の小説でしたが
平清盛の偉大さ・怨念、源家の因縁と残酷さ、無惨さが
歴史の知識の無いわたしにも痛いほどわかりました
知らぬ間に、心の中の言葉まで「〜〜してはならぬ」なんて
時代調の言葉になっていたりして

0
2012年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

代が鎌倉となった頃の歴史物。
お化けが出てきたり幻想的な作風。
『君の名残を』もそうだったけど、好きなんですね源平。
浅倉さんらしいかなり淡々とした筆致。

以下の感想はネタバレですが、正直私の歴史知識がなさ過ぎて、物語的仕掛けなのか周知の事実なのかわかりません。


『空蝉』
源頼朝の長女大姫が身罷るまでの短い話。
物語り全体の序章的役割でほとんどが源平と大姫の説明に終始している。
木曾義仲と聞いて戦国時代の人かと思う程度の低い私には感動ポイントがイマイチわからず。
身をやつすほどの恋というのがいいらしい。

『されこうべ』
源頼朝が平清盛に助命されたところから死に至るまでの考察。
物語と言うより考察。
本当に歴史本だなと思っていたら、最後の最後に仕掛けがあり、徳川家康が消えた歴史書を探し出させて頼朝の死は平清盛の怨霊に取り付かれた末の自殺(復讐)だったと知る、という。
作中作のようなつくりで、謎に包まれた源頼朝の死を想像したフィクションです。


『双樹』
頼朝の子頼家が修善寺で死に至るまでを『修善寺物語』から着想し幻想的に描いた話。
一番ようわからん。


『黄蝶舞う』
表題作は源実朝暗殺までを実朝の成長と共に追っていく話。

それと対になっているのが『悲鬼の娘』で実朝を暗殺した公卿の視点で、暗殺実行に至るまでの経緯を描く。
タイトルの娘とは比企能員の姪のことで、頼家の妻と子と共に滅ぼされた一族の敵を討とうと公卿にけしかける。
裏には某上皇が。
公卿は可哀想だがちょっとおばか過ぎる。


全編通してかなり淡々としている。
説明口調で、歴史の教科書を読んでいるようでけっこうつらかった。
このあたりの歴史に明るい人には楽しめるかもしれないけれど基礎知識ほぼゼロの人間にはハードルが高かった。
ドラマチックさやダイナミックさはなく、裏切り裏切られ呪い呪われという人の世の悲しさを描いている。
好みが別れそうな話。

0
2012年05月24日

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