あらすじ
信用できる統計データを賢く使う人が、見る真実とは。
現代社会の必須ツール――統計学はトレンドを見通す望遠鏡だ!
賢く統計を使いこなす人はなにに注意しているのか?
嘘のデータに騙されずにどんな真実を見ているのか?
統計データを疑うばかりでは世界のリアルが見えてこない。
好奇心と健全な猜疑心を持ち感情やバイアスの罠を回避し
いまのトレンドを見通す術をFTの人気コラムニストが伝授。
【統計を賢く使うための10のルール】
ルール1 とっさの感情には注意する
ルール2 個人的経験を疑う
ルール3 なにを数えたデータか確認する
ルール4 俯瞰する
ルール5 背景を知る
ルール6 数え損なったデータを考える
ルール7 AIやアルゴリズムに丸投げしない
ルール8 公的統計の存在を重視する
ルール9 グラフやチャートが美しくても、鵜呑みにしない
ルール10 頭と心を柔軟に
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Posted by ブクログ
1,感情の反応によって騙される
気に入らないエビデンスは無視しやすい=オーストリッチ効果。相場が下がっているときは株価のチェックをしない。議論の両論のエビデンスがたくさん出るほど、中立から離れてムキになりやすい
2,統計的な見地の鳥の目と、個人的な体験の虫の目を組み合わせる。
3,データの意味がほんとうにわかるか。
何を数えたデータか各印する。ニュースは前週のものだけ読む。
4,全体像のなかで眺める
5、統計の背景にも目を向ける
キックスターターで巨額を集めるプロジェクトがあって話題になるが、40%は一円も集められない。
選択肢が多いと購買意欲がそがれる、という論文は出版バイアスで出版されるが、反対の結論の論文は出版されない。
検証するデータは多いほどいいのだが、少しずつ増やしていって、結論が都合よく出たところでやめるのは、統計的手法として正当ではない。
結果を知った後に仮説を立てるなら、立てた後にそのための検証を行うべき。
出版バイアスと、ルーズな研究観光で、統計的事故がおきる。
エクセレントカンパニーに出た会社の3割は2年で業績が傾いた。
6、除外されている存在はないか
TIKTOKのユーザーのアンケートは全体を代表しない。全ツイートを調査しても、すべてではない。ビッグデータはたいてい幻想を含んでいる。
7、アルコリズムには検証が必要。
Googleは検索語からインフルエンザの患者数をAIで推定した。しかしアルコリズムは検証不可能で、間違ったこともある。夏のインフルエンザは予想できない。
雪が映っているハスキー犬はオオカミと判断した。アルコリズムはパターンを見つけるだけ。Googleは入社試験に導入して、女性を差別する結果になった。
しかし人間の判断もぶれやすい。同じ事例でも判決は分かれる。AIだったら同じになるはず。どちらがいいか、ケースバイケース。
8,公的統計を大事にする
CBOの仕事ぶりには、共和党も民主党もケチをつける。後進国では、大統領が求める数字でないと公的統計は認められない。公的統計にケチをつけることを許さないのも、不正が正されない可能性がある。国家権力が情報不足による誤認識をそのまま政策にしやすい。とはいえ、公的統計は基盤になり得る。
9,美しいグラフやチャートに騙されない
どのように見せようとしているか、作り手の意図を推察する心構えを持つ。
10、自分のミスの可能性を常に考える。
フィッシャーとケインズ派ともに専門家で統計に詳しかった。しかし、暴落時の運命は正反対になった。