あらすじ
見えない敵は、結婚一周年を祝うため夫と有楽町で待ち合わせていた幸せな妻の体を奪い、八王子のはずれで轢き殺した。夫も自殺を偽装して殺されかかる。そして妻の巨額な生命保険金が夫の口座から何者かに引出されていた。夫の復讐が始まる。だが彼を待っていたものは妻の暗い秘密と凄惨な地獄絵だった。
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Posted by ブクログ
この作家は初読。ミステリっぽいけど、謎云々よりも勧善懲悪のハードボイルドな作品。
ごく地味な調理人の妻が、行方不明になったうえ、車にはねられて死亡しているのが見つかった。その上、謎の女に泥酔させられ殺されそうになる。さらに、妻には知らぬ間に2億円もの保険金がかけられていた…。
エロっぽい表紙(この作家はみんなそうらしい)で、単純な殺人事件者かとおもいきや、なかなかどうして複雑な人物や人間関係ばかりで、なかなか読ませる。
ただ、「警察嫌い」を称する主人公2人のせいで、解決がどんどん先延ばしにされてしまうのだが、それくらいなら警察にも謎は溶けているはず。警察との接点がないまま終わるのは、少々無理がある。
オチ的には、若干無理もあり古臭いが、昭和55年という舞台を割り引いて、そこそこ読める作品ではないかと思う。