あらすじ
彼らはなぜ生まれ、恐れられたのか
異形の者たちの本当の姿と人間の豊かな想像力に関する55のエッセイ
《正体をあばかれるモンスターたち》
サイクロプス 凶暴な一つ目の巨人
かまいたち 突如手足の皮膚を切り裂く
狢(むじな) 目も鼻も口もない顔
野襖(のぶすま) 顔に飛びつき窒息死させる
火車 死者の亡骸を墓場から奪う
あまびえ 江戸から伝わる疫病よけ
麒麟 良い政治のときに現れる
シーサーペント 鯨を負かす巨大なウミヘビ
ツチノコ 1970年代に一大ブームになった
ネッシー 20世紀最大のミステリー
……他、全55!
河合真維・イラスト
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
モンスターにされた生き物たち 妖怪・怪物の正体とは?。稲垣 栄洋先生の著書。人間の想像力は無限。人間の想像力はすごい。人間の想像力でモンスターにされた生き物たちや妖怪・怪物はたくさんいるけれどどれも個性的で楽しい。本当に怖くて仕方のないモンスターにされた生き物たちや妖怪・怪物もいればどこかかわいらしいモンスターにされた生き物たちや妖怪・怪物もいる。
Posted by ブクログ
どんな妖怪や現象にも何か理由があって正体がある。そういう事です。
でもそういうこと言うよりも、UMAも妖怪もどこかで生息していてくれた方が楽しい。
この本は居ないって言っている訳ではなくて、そういう見解もあるという方向性です。まあそうよね、結論なんて出ない事ばかりですから。
逆にこれ読むと昔いろいろな漫画やゲームで出てきた想像上の生き物が思い出されてとても懐かしかった。おかえりって感じでした。
Posted by ブクログ
モンスター(妖怪)と正体である動物をイラストと共に比較して紹介する本です。正体である動物の生態はなかなかに面白いですが考察はあっさりしているので深く読み解きたい人には不向きかもしれません。
Posted by ブクログ
伝説や民話、怪談に出てくるさまざまな種族の「元」を推測している一冊。
腑に落ちた面が多々ありつつ、夢がねぇ!と二律背反な感想が…。いや、面白かったです。
Posted by ブクログ
妖怪や怪物の謎を解き明かすコンセプトとして、著者が生物学や自然科学に軸足を置いている為、オカルト・怪異ネタを敬遠する人の方が面白く読めそうではある。ボリューム控えめで、すでに聞いたことがある説も多かったが、想像力の働きとミステリーの関係について、考察する入り口には良いかもしれない。
紹介されてるのは、比較的日本の妖怪が多いのだが、それだけに民俗学的考証があっさりしすぎて、個人的には物足りなく感じた。
Posted by ブクログ
サクサク読めて、軽めだけどしっかり面白い。食レポのようだが、表現するとこの様な感じ。
サイクロプスの存在。象の頭蓋骨を見ると、左右の眼窩が繋がり大きな目が一つ。これを想像したのではないか。行灯の油を舐めていた猫が、その火の陰効果もあり化け猫へ。小豆洗いはチャタテムシの立てる音。他にも、龍や河童、人魚、砂かけばばあ、子泣きじじいなどなど。そもそも、ひょうすべやケンムンなど馴染みの無い妖怪も。一番、印象に残ったのは件(くだん)。ネットで検索して確かにと思ったが、牛や羊の奇形。それでも十分迫力がある。
テレビやネットの無い時代。仄聞でイメージを各々の頭に描けば、誇張され、面白おかしく尾ひれはひれ。科学も今程発展せず、不思議な現象も解明できず。そうやって想像で楽しむ時代は緩く、寛くそれはそれで良いものだろうなと感じた。今みたいに、何もかも目に入り耳に入る。残りカスのような人間同士の陰謀論のみが妖怪遊び。明かす事の良し悪し、賛否。しかし、好奇心こそが最大の娯楽のエネルギー源であるから、徐々に、想定可能な領域は広がるだろうか。