【感想・ネタバレ】夢は枯れ野をかけめぐるのレビュー

あらすじ

四八歳、独身。早期退職をして静かな余生を送る羽村祐太のもとには、なぜか不思議な相談や謎が寄せられる。「老い」にまつわる人間模様を、シニカルな語り口と精緻なロジックで本格ミステリに昇華させた、西澤ワールドの一つの到達点。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

良かったです。世界観が。
西澤保彦初めて読みましたが、全く気負わずに文章を書く人ですね。変に洒落た言い回しとかほとんどなく、こちらも気が散ることもなく構えずに読めます。

同一の主人公の周囲で起こる短編集。
ライトミステリに分類されるのでしょうか、日常的な小さなミステリが仕込まれてますが、大きなテーマは「老い」とか「死」とかです。
主人公は早期退社して再就職先を探す48歳独身。生い立ちも不幸の部類に入るし、現在天涯孤独で、お先真っ暗なはずだけど、小説には不思議と絶望感がありません。
むしろ近所の人との何気ない会話とか、人との出会いなどもあって、心が温まります。
登場人物たちはそれぞれそれなりに不幸です。周囲に痴呆の老人も居るし、老人は死ぬし、彼らも歳を取ります。各短編も決してハッピーエンドではありません。
なのに、何故、こうも読後感が良いのか。

地味な小説ですし、傑作ではないかもしれないけど、ほっこりします。
人の繋がりっていいなと思えます。

0
2016年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2012/6/10
尻すぼみ感。
最初は身近な謎を推理するタイプのミステリかと思って期待したんだけど
最後は高齢者がテーマな感じになってて期待外れ。
孤独死や痴呆なんて自分の暗い未来を見るようで
わざわざフィクションの中でまで考えたくないのに。
そんなん分かってたってもうどうしょうもないもの。

0
2012年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 短編集であるが、高齢化社会の悲哀が決して声高になることなく語られていく。題名になっている最後の短編で作者らしいトリックが仕掛けられているのだが、驚きよりも切なさが先に立つ、悲しい短編である。ひょっとしてハッピーエンドと思わせておきながら、実はという落とし方が読者の印象に強く残る。このブログの記事で取り上げた作品で言うならば、「赤い指」と「葉桜のころに・・・」を足した感じだろうか。
 決して他人事ではないと思わせる日常感は決して後味のいい読後感ではない。

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2011年06月08日

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