【感想・ネタバレ】青のフェルマータのレビュー

あらすじ

両親の不和、離婚から言葉を失った里緒は、治療に効果的だというイルカとのふれあいを求めて、オーストラリアの島にやってきた。研究所のイルカの世話を手伝って暮らす彼女に島に住む老チェリストJBが贈る「フェルマータ・イン・ブルー」の曲。美しいその旋律が夜明けの海に響いたとき、海のかなたから野生のイルカが現れて――。心に傷を持つ人々が織りなすイノセントでピュアな愛の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

メンタルヘルス系。

村山由佳の初期作はあんまり期待していなかった(失礼)のだけれど、予想していたよりもずっとよかった。村山由佳はやはり南の島との相性がものすごく良いなあ。情景描写、特に海の描写が卓越している。『ありふれた愛じゃない』にも通じるものがこの時点で存在している。

しかし『ありふれた愛じゃない』など近年の作品が好きな村山由佳ファンにとっては、本作は初期作品なので書き方としてはやや物足りないように感じる。里緒と、JBと、ゲイリーと、フィオナと、それぞれの人物が傷を負っている、わりにそれぞれの傷があっさり描かれすぎている(あるいはほとんど言及されていない)。そして終わり方がよく分からなかった。え、イルカはどうなっちゃうの……??テレビの撮影はどうなったの……??フィオナとゲイリーは……??

大ケガさせられただけのイルカがめちゃくちゃ可哀想だし、イルカにそんなひどいことをせずにいられないゲイリーの精神状態が1番心配。ゲイリー、いちばん悲しい存在というか、病理がキツすぎる。「俺はこういう手段しか取れないんだよ」みたいなことを自分でも言ってたけど、自分の思い通りにならなかったものはぜんぶズタズタに傷つける、って生き方しか知らないのが深刻。それなのに最終的に里緒にほっとかれてこの物語全体からも置き去りにされたまま終わる。そこはちゃんと回収してほしい。

村山由佳が色んなところに行ってイルカとたくさん泳いで、それを踏まえて出来た小説なんだなっていうのはものすごく伝わってくるけれど、その他の部分で言葉が足りなくて勿体ないかなあと感じる小説。

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2021年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過去記録。7年前。
大阪時代、住んでいたアパートの横の小さな本屋さんでフラッと購入。海の話がいいなと探していて。最初のシーンが海を感じる好きな感じだったと記憶している。
2016/12/2記録

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2016年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小学校だか中学校の時だかあやふやだけど、ジャケット買い。
月並だけどイルカが好きだったので、さぞかし瑞々しい青春ストーリーだろうと思って読んでみたら、相当エロくてびっくりした覚えがある。
今思えば大人へのステップアップのきっかけになった本かも(爆

ずいぶん昔に読んだのに結構内容覚えてます。
主人公は声を失った女の子で、イルカセラピーを受けるためにオーストラリアに滞在。
この人物背景からおとなしくて繊細な子なのかなと思ったけど、結構ギラギラしてる子なんだって思ったのが印象に残ってる。
でも最後はいただけなかったなぁ。イルカ好きなだけにね。

残念だったのは声を取り戻すシーンとかあっけなかった気がするなぁ。
「えっ戻ったの?」って読んでて拍子抜けしちゃった。でも印象に残ってるけど。

「お前の声、意外とアルトなんだな」って友人に言われるとことか。

ドラマか映画にしたら面白いかも。

関係ないけど、そもそもなんで主人公はオーストラリアなんかに行ったのでしょう?
三宅島とか小笠原の方が癒される気がするけどなぁ。

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2012年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 話の内容としては、声を失った少女が、声を取り戻すために、イルカのいる研究所に身を寄せる話。
 そこで、いろんな人と関わりを持つようになる。

 というような話。
 とりあえず、この人は、こんな話を書くんだな……と、空気感を呑みこんだのが、第一印象。
 今のところは、傷ついた女の人の話を書くのがうまい人なのかな? と、思ってるんですが、もしかしたらちがうかもしれません。
 一冊目読んだところなので、次の本を読んだら印象が変わるかも。

 なんというか……
 話自体は、よくある雰囲気だし、理解もできるんですが。
 このラストは、僕の中にはないラストだな……と、思いました(苦笑)
 自分ならこの選択はしない、的な意味で……

 なんというか、このラストだからこそ、変に生々しくなってちょっと「ああ」ってなったかもしれないです。
 あくまでも、個人的な感想なんですけど。

 もうちょっとファンタジー的でも嫌ではないんですが……。
 まぁ、それはそれ、これはこれ、ですよね。
 現実って、ファンタジーじゃないし。

 とりあえず、この作品は個人的には一回読んだら、もういいかな、という感じでしたが、別の話を読んでみたい、という興味はわきました。

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2011年12月16日

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