あらすじ
大ヒット『感染』の仙川環、待望の最新作!父親が急逝してやむなく実家の医院を引き継いだ成田真澄(なりたますみ)は、中央から田舎の町医者に転じた未練に悶々とする中、従妹が原因不明の病に倒れ、治療方法も分からぬまま死に至らせてしまう。そしてその友達も同様の死を遂げる。友人で獣医の渡良瀬敦彦(わたらせあつひこ)と共に真相を探るうち、その症状が狂犬病と酷似していることが判明した。国内では撲滅したはずの殺人ウイルスが約半世紀を経て再上陸したのだ。政府の正式発表により町民はワクチンを求めてパニックに陥り、飼い犬の無差別殺害も続出した。はたしてその感染源は――!? 『感染』の仙川環が新たな境地を開くパニックサスペンス大作の登場だ。
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Posted by ブクログ
父親が急逝しやむなく実家の医院を継いだ成田真澄は、田舎で悶々とした日々をおくっていた。そんな折、従妹が原因不明の病に倒れ、治療法もわからぬまま死に至らせてしまう。その後、従妹の友人も同様に死を遂げる。
狂犬病に酷似した症状、撲滅したはずの殺人ウイルスの再上陸なのか?
町民はワクチンを求めてパニックに陥り、飼い犬の無差別殺害も続出。
はたして、その感染源は?
仙川環さんの本は、どれも面白い。
この再発は、医師としての成田真澄、一人の女性としての成田真澄の心情の変化が描かれていて、周りの登場人物の魅力もあいまって、引き込まれて読んだ。
Posted by ブクログ
成田真澄(ますみ)は、東京から実家に戻ってきた内科医。
父親が急逝したため実家の医院を継いだからだが、田舎町での日常に不安や不満を募らせていた。
そんな中、10歳の従妹が原因不明の急病で亡くなり、さらにその友人までもが同じような症状で亡くなってしまう。
祖父の何気ない言葉からその病の正体が、日本では半世紀前に撲滅に成功したという狂犬病の可能性が出てくる。
発病すれば致死率100%の殺人ウィルス。
医者として無力感に苦しみながらも、感染源の特定を探す為に独自に調査を進める彼女は、意外な真相を目の当たりにする・・・。
真澄って名前を見て「男」と判断してしまいました。「ガラスの仮面」の影響かな?(笑)
発端となる事件のときに従妹から「お姉ちゃん」と呼ばれていたことで自分の勘違いに気がつきました(^^ゞ
どうでもいいことですけど、序盤から予想外な展開(笑)に思わず苦笑し、そのまま物語に引き込まれていきました。
そして、狂犬病が「発病したら致死率100%」なんていう恐ろしい病気だと初めて知ってからは目が離せない状態になり、それからは最後まで一気に読み終えてしまいました。
途中から、何となく「誰が事実を隠蔽しているか」は見えましたが、そんなことが気になりませんでしたね。
子供が犠牲になる痛ましさはありましたが、それでも読後感はそれほど悪くなかったです。
最後のエピローグも、未来への警鐘を鳴らしながら新たな「再発」を予感させる終わり方になっていてなかなか良かったな、と思いました。