あらすじ
人間そっくりのロボット「カゲロボ」が学校や会社、家庭に入り込み、いじめや虐待を監視している――そんな都市伝説に沸く教室で、カゲロボと噂される女子がいた。彼女に話しかけた冬は、ある秘密を打ち明けられ……(「はだ」)。何者でもない自分の人生を、誰かが見守ってくれているのだとしたら。共に怒ってくれるとしたら。押し潰されそうな心に、刺さって抜けない感動が寄り添う、連作短編集。
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Posted by ブクログ
人間社会に秘密裡にスパイロボットがいるというテーマのアンソロジー。
一番最後のストーリーが良かった。
何でもできる姉とずっと比べられていて、姉の存在がいなくならないと人生が始まらないかのような主人公。
似た境遇の知人からその知人の姉を殺すよう依頼を受ける。
報酬は何でもOK。主人公が選んだのは、姉が受賞しないこと。
主人公は知人の姉の、他人には見せない苦しみ藻掻いている姿を垣間見て、殺さず帰宅するのだが、帰路にカゲロボに出会う。
主人公の闇の深さからずっと見ていたという。
新美南吉のカタツムリの悲しみの、人それぞれの悲しみがある。
だから、他人の悲しみを十分に理解して受け止めることは難しいし、それを期待してはいけない。依存になるから。
でも、悲しみが深すぎる時、突然襲ってきた時、誰かに共感してもらいたいものではないだろうか。
たとえロボットでも、「ずっと見ていた」と言われたら、この世にわかってくれる人が一人でもいたと救われるのではないだろうか。