【感想・ネタバレ】20歳の自分に教えたい現代史のきほんのレビュー

あらすじ

なぜロシアはウクライナに軍事侵攻したのか? それに対してアメリカや中国はどう動くのか? 日本はどんな対応をするのか? 世界のパワーバランスは? 経済はどうなる?

日々のニュースを見ていて次々と疑問が浮かぶ、そんな経験があなたにもあるのではないでしょうか。

実は、それらの疑問は少し前の歴史ををさかのぼることで解決できます。つまり現代史を知ればいいのです。

なぜなら、現代史に残るできごとは、毎日報道されるニュースから始まっているから。いまのニュースの発端は現代史のできごとの延長線上にあります。

「東西冷戦」や「イスラム情勢」「世界の軍事力」「世界経済」など、いまさら恥ずかしく聞けない現代史のきほんを、池上さんがやさしく解説します。現代史を理解するだけで、日々のニュースは各段に面白くなります。

知識を得ることは、画像の解像度が高まることに似ています。ひとつひとつのニュースは点でしかありませんが、視点を世界に広げることで、それは線になり、さらに歴史から見ることで、面に拡大していきます。地理から歴史からニュースを見ることで、点だったニュースが面の一部として理解できるようになる。知識を得るごとに解像度が増し、世界の見え方はどんどん鮮明になります。そんな「現代史を学ぶ意義や楽しさ」を実感できる1冊です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今、世界で起こっている戦争であるとか、民族の衝突であるとか、過去に起こった出来事が、現在にどうつながっているのか等、知りたかったことがつかめる本だと思う。もう少し深堀したい場合の糸口を見つけるにも役立った本である。

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2022年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昨年(2024)末に本屋さんで見つけて、タイトルに惹かれて買ってしまいました。確かにこの本に書かれている内容を、20歳の時に知っていたら、人生が変わっていたかもしれないな、と思いながら。

戦争はしない方が良いとは思いますが、舐められないためにお軍事力は必要、一目置かれるには経済力も必要、どの国も真似から入る、ただずっと同じことをするか、改善を加える努力をするかで、その後の人生が変わってくる。国も個人にも通用する法則であることを、この本を読んで痛感しました。

以下は気になったポイントです。

・ロシアは「特別な軍事作戦」を始める直前、独立を宣言した「ルガンスク・ドネツク人民共和国」を国家として承認し、それぞれぞれと有効相互援助条約を結んだ、この2つの国がウクライナから攻撃されロシアに助けを求めてきたので「助けてあげましょう」というのがプーチン大統領の理屈である(p40)

・国連加盟193カ国のうち141カ国は、ウクライナからの即時撤退の賛成をした、反対は5カ国、危険は35カ国、これは他国を侵略することは絶対に許されないという国際社会の相違を示すものである、ウクライナがNATOに加盟していれば、NATO即応部隊や加盟国の軍隊がウクライナ軍と共同で戦ってくれるが、加盟していないので戦うのは難しい、条約上、非解明国を防衛する義務はないから(p46)

・12海里(22キロ)は領海、24海里は接続水域、200浬以内は排他的経済水域(EEZ)といって、自分の国だけが経済活動(魚をとる、石油を採掘するなど)ができるというもの、その外海は公海である(p61)

・台湾を独立させたくない理由として、中国には5つの自治区(内モンゴル、寧夏回族、新疆ウイグル、チベット、広西荘族自治区)に飛び火してしまうのではないかと恐れているからかもしれない(58)

・2003年にアメリカはイラクを攻撃するためにアフガニスタンからイラクへ兵士を移動させてアメリカ軍がほとんどいなくなった、そしてタリバンが復活した、アメリカ国内でも批判が高まり、2020年トランプ大統領は撤退を宣言した(p133)タリバン、アルカイダよりも残虐なイスラム過激派組織が自称「イスラム国」、元々アルカイダに属していたが、破門されて独立した組織である(p135)イスラム国は、将来的には、中東・西アジアに加えて北アフリカから欧州南部(スペイン、ポルトガル)まで考えている(p167)

・独裁体制は、自由はないか、あっても限られた範囲内の自由しかないが、利点としては、民主主義のように、さまざまな考えや対立する意見を持った人たちの話し合いによって物事を決める必要がないので、決めるのが早く、すぐ行動できる(p191)

・共産主義は全ての財産をみんなの共有とし、貧富の差を無くそうとした世界を作ろうとする考え方で、この理想に向かって進んでいこうとする組織が共産党、ただすぐには実現できないので、それまでは国が財産を管理してみんなを平等にしていこうというのが社会主義、共産主義に向かう途中の段階である(p194)

・中国の「社会主義市場経済」は、市場経済でいい、どんどん金儲けしてください、その代わり、共産党の言うことを聞きなさい、と言うことである、中国共産党の指導に従うことを条件に、自由な経済活動を認めた(p205)

・中国が巧みだったのは、新製品が出たらコピーを作って新技術を学ぶだけでなく、たくさん売るために、単なるコピー品にはない、独自の特徴や機能をプラスしたこと、その工程を繰り返すことで技術力がアップし、品質の高いオリジナル商品を生み出せるようになった(p208)

・アメリカでは、現役兵士と、その家族は医療費や保険料が無料になる、アメリカでは医療費が非常に高いので、医療費と保険料がタダというのは大変は好条件である、また学費免除の制度(奨学金支給)や、アメリカ軍に入るとアメリカ国籍がもらえるというのもある(p249)

・軍事費、兵士の数など50以上の項目を総合的に評価した軍事力ランキングでは、日本は142カ国中で5位(アメリカ、ロシア、中国、インド、6:韓国、フランス、イギリス、パキスタン、ブラジル)に入っている(p262)

・北朝鮮が最近開発しているのは、弾道ミサイルでなく、極超音速ミサイルで、不規則な動き方をしながら飛んでくるので、撃ち落とすのはかなり難しい、今の日本の迎撃ミサイルシステムでは対応しづらいということで非常に大きな問題になっている(p322)

2025年1月12日読破
2025年1月12日作成

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2025年01月12日

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