【感想・ネタバレ】ベルリンは晴れているかのレビュー

あらすじ

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。圧倒的密度で書かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

楽しい本ではないが、面白かった。
読んでよかったと思えた。
生きていくためにしなくてはならない過酷なことがあった時代、「どんなに学校で窮屈な思いをしようが→家に帰って本を開けば、文字の向こう側から道の風に吹かれ、胸いっぱいに空気を吸い込めた。」の文章にほんの少しでも救いを感じられた。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『戦場のコックたち』で、ミステリ要素が戦時中というシチュエーションに対して少し浮いていると感じた部分が、本作では両者の融合率がぐんと上がっている。
旅の目的上、クリストフに毒入り歯磨き粉を渡したのは誰なのか?という謎を避けて通れないところ。また、膨大な資料や取材から成る、圧巻の情景描写にさりげなく忍び込まされたヒントがその一因なのかな、と感じた。

幕間も、序盤は戦争によって変化していくベルリンを描くためのパートなのかなと思っていた。その実、アウグステの動機をこれでもかと納得させられることになるとは。

読んでいて辛い描写が山積みだが、アウグステ以外の登場人物も一人一人の造形が深く、引き込まれた。



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2024年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

起承転転承結みたいな感じ?笑
期間を開けて読んでしまって、話が抜けかけた。戦争描写、心理描写が本当に美しい。
個人的理解としては、ユダヤ人や障がい者が犯罪者として迫害されてるとき、本当に犯罪者だったのはアーリア人、ドイツ人だったってことだよね。人種なんて不確定なもので、人を決めることはできない。結局のところ、何人だろうが極悪人はいるし、聖人はいる。
物語的驚かされる起承転結ではなかったけど、、導入が好きだったかな。読み終わった時、見返したらあの導入は必要だったのかは疑問だけど笑
あと、アウグステのお父さんのギゼラの薔薇の話は涙無しに読めなかったわ。刺さった。
第二次世界大戦後のドイツが分割されるまでの歴史をほとんど理解していなかったから、それまでの混乱について勉強になった。
どこの国も、戦後に抱える問題は似たものがあるよね。誰に支配されたとか、どんなものが足りなかったとかじゃないものが。
戦争というものが生み出す、言葉で書き表せない残酷さを、体験していないのに、本や映像から知ることができるって今生きてる人の特権だよね。

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2024年11月29日

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