【感想・ネタバレ】借金中毒列島のレビュー

あらすじ

借金は怖い。えっ、自分とは関係ないって。ちょっと待った。ローンもキャッシングももちろん借金、わずかな油断が苛酷な取立と人生の破滅を招く。“笑顔で貸して嫌がらせで取る”金融業30年余の著者は、消費者金融のホントの顔を語り、カネに憑かれた日本人の病根を抉る。借金しないあたりまえの生活のすすめ。

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Posted by ブクログ

昭和40年代からバブル期まで貸金業に従事していた室井氏に、ライターがインタビューするという形式を取っている。会話形式で用語の解説がそれほど親切ではないため、正直言ってちょっと読みにくい。

内容とエピソードの大部分は、昭和58年の出資法と貸金業法の改正前のもので、現在の貸金業界の状況を知る上では、あまり参考にはならないかもしれない。

とはいえ、昭和40年代から現在までの業界の流れを知りたい人には有益だ。
なぜ消費者金融が一般大衆に広く受け入れられるようになったのか。
金利が下がったにもかかわらず、自己破産者の数が増え続けるのはなぜか。
こうした疑問の答えが、この本の中にある。

興味深いのは、自己破産者が増えた要因の一つが、出資法改正による上限金利の引き下げにあると筆者が考えていることだ。筆者によると、

上限金利の引き下げ→収益を確保するために、業者が過剰融資を行う→債務者が断れずに融資を受けてしまう→多重債務に陥る→自己破産、という段階を経ているという。

現在、金融庁がグレーゾーン金利の撤廃に向けて動いているが、この本を読むと金利の引き下げが必ずしも債務者を救うとは限らないという気がする。また、実際に引き下げられた場合、貸金業者の多くは淘汰されるだろう。

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2009年10月04日

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