あらすじ
まさに泥沼ともいうべき流血の対立の渦中にあるパレスチナとイスラエル。だが、ここに至る関係の歴史を正確に知る人は、意外に少ないのではないか。60年代後半からこの問題を追い続けてきた著者が、旧版以降の流れを新たに加筆、現地取材にもとづく最新の状況にもふれ、1冊で今日までの歴史と背景を辿れる新版として刊行。
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Posted by ブクログ
イスラエルによって、追い出された地域、人々の話なので、イスラエルそのものよりは分かりやすい。
イスラエルが、ジュネーブ条約(占領者は現状変更を禁止)に違反しているかどうかというのが政治的な剣が峰だということが分かった。
また、「ユダヤ人に特有の遺伝子はない。一番近い遺伝子配列の傾向を持っているのはパレスチナ人」という報告は興味深い。
Posted by ブクログ
=====佐藤匠2016/2/5========
【概要】
パレスチナで起こっている事象について、過去の歴史や宗教を絡めて説明されている本。
ユダヤ教の迫害に絡む歴史等、ユダヤ人とパレスチナ人の間に渦巻く問題が描かれている。
【評価】
60点
【共有したい内容】
ユダヤ教の迫害の歴史についての記述がある点。
個人的には、パレスチナの問題について、なんとなくの理解で終わらせてしまっていたため、読むことで何が起こっているかの概略をつかむことができた。
具体的な概略として、
ユダヤ人とパレスチナ人の対立がメインであること。
対立の背景として2000年以上自分の国を持たずに迫害されていきたユダヤ人の独立国家を国連がメインとなって建国(それが、現イスラエル)。パレスチナの地にユダヤ人が独立国を建国することで、当初そこに住んでいたパレスチナ人との軋轢が発生し、未だにそれが続いていること。
何よりも歴史的に迫害を受け続けてきて同情的な感情を持たれやすいユダヤ人が、イスラエル建国にあたり、パレスチナ人の虐殺を実行してきたことが衝撃的だった。
また、イスラエルのバックにはアメリカがいる。
アメリカのニューヨークにおけるユダヤ人の人口は約200万におり、イスラエルの次に多い。
アメリカの中でもメインの都市で多くの成功者を輩出したユダヤ人は、アメリカ経済及び政治において強い影響力を持っているため、自分と同じカテゴリーに含まれるユダヤ人の国家であるイスラエルを支持するのは当然のことだと感じた(他にもさまざまな権益が絡んでいると思うが)。
旧約聖書で神から約束の地として提供されたパレスチナは現在分割状態にあるが、これが解決(すべてのパレスチナ人を追い出す?分割して別の国になる?)されるには多くの犠牲と時間がまだまだかかると感じた。
【読んだ方がいい人】
パレスチナの現状を知りたい方
【悪いところ】
細かい戦闘についての記述が多く、全体としての概略以外のストーリーはあまり面白くないし、全体としてのストーリーを分かりにくくしていると感じる。
多くの人は全体としての概略がつかめればそれでいいと思う。
細かい戦闘に関する記述については、時間節約のために飛ばし読むことをお勧めします。
【どういうときに役に立つか】
パレスチナの現状とユダヤ教について理解を深めたい方。
【自由記述】
ユダヤ教やイスラム教、キリスト教の関連性に関する話しやユダヤ人がなぜ優秀なのかについての話もあり、面白い。
(宗教の関連性について)
3つの宗教の神様はアッラーですべて同じである。
ユダヤ教→キリスト教→イスラム教の順番で生み出され、キリスト教はイエスキリストを予言者として持ち、イスラム教はムハンマドを預言者として持つ。
ユダヤ教は旧約聖書、キリスト教は旧約聖書+新約聖書、イスラム教は旧約聖書+新約聖書+クルアーンと呼んでいる本が増える。
※新約聖書は支配するため支配されるためのものとして、旧約聖書の解釈に言い訳をつけて甘めのものとして作成された。
(ユダヤ人はなぜ優秀なのか)
ユダヤ教として、生涯学習を勧めているため。
人口の0.2%しかしめないユダヤ人がノーベル賞の20%を占めるなど、実績が輝かしい。
これらは、生涯をかけて学ぶことをやめない民族的な文化に紐づく。
また、キリスト教のイエスキリストを十字架にかけた人がユダヤ人とされており、キリスト教と仲が良くない。
そのため、多数を占めるキリスト教から通常の仕事を与えてもらえず、金利貸業等の仕事を行ってきた。
自然と資本主義社会の中心人物ともなってきており、現代の資本主義経済でもトップのランクにいる民族である。
※株や手形、会計のシステムを作ったのもユダヤ人である。