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まさに泥沼ともいうべき流血の対立の渦中にあるパレスチナとイスラエル。だが、ここに至る関係の歴史を正確に知る人は、意外に少ないのではないか。60年代後半からこの問題を追い続けてきた著者が、旧版以降の流れを新たに加筆、現地取材にもとづく最新の状況にもふれ、1冊で今日までの歴史と背景を辿れる新版として刊行。
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Posted by ブクログ
一体幾ら殺したら気が済むのだろうか。幾らミサイルを撃ち込めば気が済むのだろうか。日々流れるイスラエル軍による攻撃やガザに対する弾圧を見ていると、イスラエルという国の恐ろしさを感じるだけでなく、その相手方としてのパレスチナやイランの報復活動(これも正当化できない平和への挑戦に違いないが)を引き起こして...続きを読むいる恨みの深さを感じざるを得ない。だがこれもニュース報道という捻じ曲げらた、そして表面的な情報源だけに頼った誤った感覚なのかもしれない。真実はとてもじゃないが複雑な歴史と実際のそこに暮らす人々や政治の思惑、宗教的な側面や経済的な面など、あらゆるものの中からしか見つける事はできず、遥か遠いアジアの端からは見えてこない。イスラエルを非難する声とガザを擁護する声、そしてイランが核開発をするに至った真意などは到底判らない。複雑に絡み合った要因が引き起こした事実は、何の罪もない一般市民の被害だけだ。どちらかが自業自得で、そして被害者であるのかすら、私には全てを知りようがないのである。だから苦しい。トランプ大統領やネタニヤフ首相、そしてイランのハメネイ氏などの顔が思い浮かぶ度に、誰か1人が血塗られた惨劇を生み出す犯人という事は無く、3人、いやそれ以外にも多くの人間の思惑が練り上げられて、巨大な中東情勢という引火寸前の爆弾を作っている実験場の様なシーンが目の前に広がってくる。考えすぎだろうか、いや考える事から逃げて仕舞えば、永久に謎は解けず頭痛から解放される事はない。だから、本書をその薬の一つとして自分に処方している。 本書はパレスチナを巡るイスラエルとパレスチナ人の戦いの歴史を学ぶことの出来る優れた一冊である。同じテーマの本は腐るほどあるが、どうやら私にとっては、第一類医薬品の様に効きが良いものであったことは間違いない。但しそれは、イスラエルに対する怒りが多少強かったからかもしれないが。だから万人ウケするとは思わない。ただ、パレスチナの地に降り立ったジャーナリストが見た事実の一部分である事も間違いない。 その内容はパレスチナの地に人が存在し始めた歴史から、そこが世界の注目する非人道的な殺戮の現場、そして宗教的な争い以上に土地を巡る争いとしての側面に光を当てて描かれている。土地はパレスチナの人々にとっては母の様な存在であり、1948年イスラエル建国以降、その母の命を奪われた子としての人間の抵抗を鮮やかに描いている。その色は真っ赤な鮮血であるのだが。本書はパレスチナに暮らした筆者が描いている事もあり、悪は完全にイスラエルだ。彼らは「民が居た土地」に自分たちの都合だけを振り翳して入職してきた侵略者として描かれる。確かにサイクス・ピコ協定やフサイン・マクマホン協定など、英仏、米国、ロシアなど大国の思惑にイスラエルが翻弄されてきたのは事実だし、現在のパレスチナ問題を作り出した真犯人はイスラエル自身ではない。また第二次大戦でナチスドイツに虐殺されたユダヤ人達に対する同情もある。だがこれまでの歴史の中で、自分達が味わった苦痛をそっくりそのまま、占領地の人々に味合わせている、味合わせてきたのは事実だ。長い世界史の中でユダヤ人が味わった屈辱や痛みを感じない人は居ないだろうが、それを他者に負わせる理論だけは、全く理解が出来ない。そしてイスラエルの若者達にまで教育という名の洗脳により、あたかも自分達が正しく、安全を求めた行動として正当化するような刷り込みを続けるイスラエルという国家の恐ろしさをまざまざと見せつけられていく。果たしてその責任が現在の指導者層だけにあるというのも間違いだ。もう既に彼らイスラエルに住むユダヤ人の意識などは変えようもないのであろう。だから読み続けるほど苦しく別の痛みが自分を襲って、頭痛などは吹き飛んでしまった。 自らが再び流れる民にならないように、そして二度とホロコーストの悲劇を繰り返さないために、彼らのロジックは最早、日本が大アジア主義を掲げてアジア各国を苦しめた際の大東亜共栄圏確立の理由よりも深く重く固いものであると確信する。だから、本書が描かれた2000年代初めから随分年月が経過した今も、終わりが見えるわけでも無く、継続されていく。親から子へそして孫世代になっても、大した状況の変化がない。寧ろ兵器の殺傷力も使い方も進化した現在の方が遥かに、平和からは真逆の方向に大きく進んでしまった。今日、アメリカの大型ステルス爆撃機がイランの地下施設を破壊可能なバンカーバスターを投下したようである。 また火がつくだろう。最終的にイランがトランプの望む無条件降伏をした所でら何も変わらないだろう。怒りが怒りを呼び、攻撃が復讐と更なる反撃を連れてくる。そして民衆の心の中に生まれた怨嗟が更に大きなうねりとなって、どこかでまた表面化する。決してイスラエルだけを非難する事はできないだろうが、解決策を探るためには双方の求める着地点を見出さなければならず、それは表面的な事象を見つめただけでは無理だから、だから本書を読む。
現在のイスラエルのガザへの攻撃について、その様々な理由を説明する本である。 相互の争いを実際に現地で体験していて書いている。さらに政治的決着と入植問題、ユダヤ人とは何か、パレスチナ人とは何かについてまで言及している。 今のイスラエルの攻撃を理解するための必読本である。 「世界史の考え方」岩波新...続きを読む書で言及している本であり、多くの人が読んでいる本である。
パレスチナと言うこの本。物事は2つの方向から読み解かなければいけないということを改めて考えさせられた1冊です。ユダヤ人が、自らがされていたことと同じ事をパレスチナの人たちに行っている。。しかしその真実は報道では殆ど流さることがないのです。。。
パレスチナ問題についてよく分かる本。入門書としておすすめである。パレスチナ問題ほど難解で複雑な問題はない。客観的に見て、パレスチナ寄りになってしまうのは仕方ないと感じた。ユダヤ人の定義(民族的、宗教的)のところは疑問に思っていた部分だったので、そこにも言及してあったし、とてもいい本だと感じた。200...続きを読む2年出版ということなので、パレスチナが国連加盟申請したこのタイミングで、2002年から現在までの様子を記す続編にも期待したい。
広河さんの本は弱者へのまなざしがとてもやさしく好感を持てる。内容は、著者が実際にイスラエルのキブツに入ってからパレスチナ問題について知って、パレスチナの人にあって、その中に入り体験したこと、調べたことが中心で、今、福島に入っている著者の原点がここにある。読んでいて、こんなひどいことがあっていいのか!...続きを読む正義はどこにあるんだ!と怒りが込み上げてくる。何か行動しようと思わせてくれる1冊だ。わたしは何かあると広河さんの本を読んで、闘志を燃やすことにしている。
パレスチナの情勢を全く理解していなかったことを痛感。 読んでてキツくなるときもあるが、世界の実態を知るには重要な本。
パレスチナ問題を以下で分析。 歴史的経緯 政治的経緯 心理的経緯 また、パレスチナの現状を生々しく紹介。 パレスチナ情勢についてなにも知らない人におすすめの一冊。
劣悪な環境で育った人は、きっとそれを変えるために命をかけるんだろう。ただその熱い思いが平和をさまたげているのかもしれない。そして平和な日本で、虚無感にとらわれている自分って…。どっちが悪いじゃないんだけど、ナチスに迫害されたユダヤ人がパレスチナ人にしていることは、迫害なんじゃないだろか。
パレスチナを勉強するにあたって初めて読んだ新書。リアルかつわかりやすい。入門には持って来いでした。これを筆頭にもっと勉強せねば… 08.01.21
パレスティナを撮り続けてきた写真家が書いたパレスティナ側から見たパレスティナ問題。この問題を知る入門書として最適だと思うけど、中立性はない。それでもパレスティナ人の悲惨な姿が見える。
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