あらすじ
『竹取物語』の世界に生きる内気な姫さよと勝気な姫ごう。自由を求め物語の神に反旗を翻した二人は、『源氏物語』『蟹工船』など物語の結末を書きかえてゆく!痛快名作エンタテインメント。
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Posted by ブクログ
どこまで行けば、めでたしめでたし?
物語の神は男中心の物語を描いていく。その中で、自分たちの幸せを目指そうと、自分の描きたい物語を描こうとする「さよ」と「ごう」。何度も何度も物語の神に挑み、退場させられて、それでも描き続ける物語のハッピーエンドは——。
そうなんだよなぁ、と読み終わって一言。平安時代から脈々と、女の幸せとは〜と"教えてくれる"物語が続いてきた。この令和の今でさえ、幸せな女性の生き方とされる物語はどこかいびつなままだ。「さよ」も「ごう」も、ずっと挑み続けている。それでも相手は「神」だ。幸せな結末はまだ見えない。
しかし、この本で「正しい物語」である「女性の幸せな生き方」が描かれなかったことこそ、答えだと思う。誰かに「正しい物語」を与えられることこそおかしいのだから。