【感想・ネタバレ】衰退産業の勝算のレビュー

あらすじ

安価な輸入品の席捲や廃プラ運動などにより衰退の一途をたどる国内ストロー業界。
そんななか、経営を立て直し再び成長する道を切り拓いたシバセ工業。
多品種小ロット生産、オープンイノベーション、外径検査装置の開発……。
V字回復を遂げた中小企業に見る、衰退産業の生き残り戦略とは。
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1970年から外食産業の発展とともに成長してきた日本のストロー業界はバブル崩壊後、
安価な輸入品への置き換えや小口取引の減少などにより衰退し、
ストローメーカーは相次いで倒産や廃業に追い込まれていきました。
大手乳業メーカーのストローの下請け企業であったシバセ工業にも、
業界を取り巻く状況に対応できず生き残りに苦戦したという過去があります。
2002年には売上が最盛期の8割減にまで落ち込み、
さらにその後もプラスチックストローが環境に悪いという風潮が同社を追い込んでいきました。
この窮地を抜け出すきっかけとなったのが、既存商材である「飲料用ストロー」の見直しです。
「ストローは飲み物を飲むためのもの」という固定観念から離れ
「工業用ストロー」という新しい市場を確立したのです。
シバセ工業はそのほかにも多品種小ロット生産への挑戦やM&Aによる製品ラインナップの拡充、
事業の多角化などさまざまな取り組みを行い、経営再生への道を切り拓きました。

業界を衰退させる出来事はいつ、どこで起こるか分かりません。
技術革新、ライフスタイルや価値観の急変などあらゆることが業界存続の脅威となります。
しかし、ビジネスモデルの転換や技術の研鑽によって新たな市場を創出すれば、
業界の成長期と同様またはそれ以上の成長を実現することができるのです。
本書は、シバセ工業の復活と成長の記録を綴った一冊です。
新規市場の創出をはじめとした同社の取り組みについて解説し、
衰退産業に身をおく中小企業に活路を示します。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は井上善海という方で、経営コンサルタントを経て、現在は法政大学教授とのこと。


感想。
面白かった。手触り感のある内容。扱っている企業の話が、再生開始時の年商で2億円の会社ということもあって、シンプル。


備忘録。
・この本で一番知りたかったことは、飲料用ストロー一本でやってきた会社が、どうやって工業用ストローの市場を開拓できたのか。しかも年商で2億円のスタートから。
答えは「ホームページで飲料用以外の用途例を掲示」。「SEO対策を徹底した」。
これの真似でうまく行くとは思わないが、反対に、「自社企画を考えることの難しさを痛感。自分たちが良いと思った案が、必ずしも市場のニーズとマッチするとは限らないと理解した」、という話は参考になった。

・会社の経営理念として、「社員幸せ」を掲げてます。

・対象の会社はシバセ工業。

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2022年08月19日

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