あらすじ
【電子限定版】書き下ろし番外編「ある家庭教師の決意」収録。●「薔薇の聖痕」を持つ王子は、伝説の英雄王の生まれ変わり──。国中の期待を背負って甘やかされ、すっかり我儘で怠惰な暴君に育ったエセル。王宮内で孤立する彼の唯一の味方は、かつての小姓で、若き子爵のオズワルドだけ。宰相の地位を狙う野心家は、政務の傍ら日参しては甘い言葉を囁いてくれる。そんな睦言にしか耳を貸さないエセルの前に、ある日預言者のような謎めいた老人が現れて!? ※口絵・イラスト収録あり
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Posted by ブクログ
我欲にまみれた大人達の悪質な思惑により、学びを奪われ愛を知らず命をも脅かされながら気難しい我儘に成長したエセル
不思議な老人との出会いで、故意に隠された真実を理解し、聡明さを取り戻し、自分と国を建て直すお話。読み応えありました!
一番エセルの近くに居て、本来なら助けられる立場で、深層には恋心を持ちながらも野心によりエセルの本当の姿が理解できておらず、エセルの想いに胡座をかいていたため、マルジンにやり込められたり、「攻め様ザマァ」的な展開が気持ち良いw
口が悪くて意地悪で態度も横柄だけど、エセルを溺愛しているオズワルドが、全く甘くない言葉でエセルに愛を伝えるシーンとか、悶えるほど好物です!
時を渡ってエセルの目を覚ます時でさえ辛辣なのホント好き!w愛があると全てが萌えです!
めちゃくちゃ面白かった!
中身が入れ替わって改心する系のストーリーはよく見ますが、自ら反省し、改心するタイプのストーリーは始めてでした。ものすごく面白かったです。
お話として面白かった!
最初のエセルのボンクラ王子っぷりの酷さと、オズワルドの腹黒さには、美しい見た目すらかすみました。
しかしエセル王子が本来の聡明さを取り戻し、
オズワルドが(マルジンというあて馬が現れたせいで)エセルへの愛を自覚してからは、国政を立て直し善政を敷いていく過程がとにかく面白かったです!
不思議なバラとイラクサの伝説も趣を添えてくれて、小中大豆さんの本の中でも1番好きかも!
Posted by ブクログ
結構なボリュームだったけど、面白かったので一気読み。
系統としては、人生やり直しものに近いかな。本作は時をさかのぼる訳では無いけど、過去現在未来を鏡を通して知り、変えようとする。変えようとしても最初は、もはや完全に追い込まれた状態で、一体どこから手をつけるんだろうと心配になるレベルだったので、そこからの逆転は面白かった。恋愛要素は少なかったので、その後の話を丸一冊とかで読ませてほしい。
攻めのオズワルドが、ただのスパダリじゃなくて、裏もあるし口も悪いというのはだいぶ好みだった。
エセル(受)は、小さい頃に母の不貞現場を目撃したせいで、女嫌い。女と子作りなんてまっぴらごめんな考え方をしてるので、王子だから世継ぎ問題が……って不安になることなく読めます。
エセルはオズワルド(攻)に片想いしてる。オズワルドも自分を好いてくれてると思ってたが、とある出来事でエセルが嫌いで見下してるという事実を知る。
そこからの受けと攻めの関係性にも萌えます。
女の使用人にキツめに当たる。ティーカップを投げつけたり、髪を鷲掴んだり。女に優しい受けが苦手だから好印象。
最後まで徹底して女嫌いを貫いており、妻は娶らない、子も儲けない。貴族に「私の娘と踊ってください」と頼まれてもちゃんと断る。そのまま生涯を終えます。
最初から最後まで好感度高い受けでした。
オズワルドの一世一代のプロポーズもあるので安心出来るカプ。
オズワルド、エセルと共に活躍した家庭教師のマルジンの失恋には心がいたんだ。
リアルタイムでないにしろ、生涯を終えた描写を見ると、永遠に生きててくれ! ってなりますね……。
イラストが怖めなのだけネック。