あらすじ
「大事な人の死は、たぶん決して忘れることはできません──」ラジオの深夜番組DJをしている快活な妹・和貴子と、卒業後も大学で生物工学の助手として働く勤勉な姉・菜穂子。姉妹は中学時代に両親を事故で亡くし、祖父母に育てられた。北の街を舞台に、対照的な2人の微妙な距離が丁寧にたどられていく。ふたたび大切な人の死を経験したことをきっかけに、ボタンを掛け違ってしまった、それぞれの想い。その行き着く先は──。清冽な感動を呼ぶラスト。
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Posted by ブクログ
年子の姉妹、姉、菜穂子と妹、和貴子は中学生の時に両親を事故で亡くし、祖父母の家で生活していた。高校、大学は別々の道に進み、菜穂子は大学院に進み、そのまま大学の研究室に残り、助手として研究活動を行っている。和貴子は東京の大学に進むが、地元のラジオ局の深夜番組パーソナリティーとして活躍する。
妹の婚約者だった樫村は、菜穂子の同級生で、一時は菜穂子に思いを寄せるが菜穂子は気持ちに応えることができず断ってしまう。和貴子と同じ大学で交際を進めているが、大学卒業後航空大学に進む道を選ぶ。しかし、グライダーの事故で亡くなってしまう。
底ころから姉妹の間に見えない壁ができてしまい、お互いを理解できずに悩んでいく。
ラストは感動的なストーリーとなっている。
途中、和貴子の中学からの親友である沢村奈津子が娘、雪子を連れ、自宅を訪れるシーンがある。前作、「冬の夜話」に登場する人物であるが、ストーリーにほとんど絡んでこないのが残念だった。