あらすじ
花王、リコー、キヤノン、GEといった現代の優秀企業をとりあげ、その土台を築いた名経営者の営みを紹介する。真の経営とは何か、経営者のあるべき姿は何かを教えてくれる一冊。
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Posted by ブクログ
三品教授による経営分析だが、長任期の経営者とその期間の業績との関係性を見たもので、なかなかこういうものは見たことがない。一般的に、長任期だと老害と片付けてしまいがちだが、そうではなく、長任期に耐えうる年齢で就任した経営者を取り上げている。
経営者は責任感が強いだけに、自分の任期中に成果を出さねばならないと考え成果が出る課題にばかり注力し、従業員は任期中はガマンすればいいとだんまりを決め込む。そういうことが往々にして見られるということ。最初から長任期であれば、時間が掛かる課題にも取り組めるし、従業員もやらざるを得なくなる。
特にGEの章が良かった。仕事のプロセスとそれを支える言語の体系が、GEのなかでは標準化されており、長任期の経営者がそれをブラッシュアップしていくという組織としてのヘリテッジがそこにある。特に、ジャック・ウェルチは組織改編ではなく、人材配置により課題解決を進めてきた。自伝にも多くの人が登場するが、クロトンビルでのワーク・アウトなど、人に焦点を当てていたことが分かる。
長任期の経営者を生み出すにはどうするか。若いうちから経験を積ませ、早めにチャレンジングなポストに就け、成果を生んだものを上に引き上げるというプロセスを繰り返すことだろう。そして、年齢にかかわらず能力あるものに責任を負わせることが当然という組織風土が必要だろう。やはり、成果に焦点を当てて仕事をすることが当然になっているべきだ。
Posted by ブクログ
数名の経営者をあげて、会社経営を成功させるためには長期の在任期間が必要であることを共通点として分析、考察している。
言い換えると計画を遂行するには結局自らやりきることの必要性を説いているよう。
経営者の志の達成という視点で考えさせられる本でした。
中にあった、
田辺製薬 平林忠雄氏の言葉
「利他と利己を実行で統一せよ」
とても好きです。