【感想・ネタバレ】思考の憑きもの 論より実践のクリティカルシンキングのレビュー

あらすじ

氷河期到来説、匿名の賛否、トロッコ問題、反日レッテル……
あなたの憑きもの、クリティカルシンキングで落とせます。

クリティカルシンキングは、正しくぶれるための技術

〝ぶれない〟って言葉がいつのまにか美徳として使われるようになったことに違和感をおぼえます。自分はぶれない、と威張ってる人間は、自分は絶対に正しいと信じているわけです。その信念が偏見や誤解にすぎなかったら、とは考えないんですかね。極度のナルシストなんですかね。
本当に知的なひと――少なくとも知的であろうと努力してるひとは、自分が間違っている可能性をつねに認めてます。正しい方向へぶれることを厭わない勇気も知性のうちです。知的レベルの低さを野蛮な精神力でごまかそうとしないように。
(「パオロ流クリティカルシンキング論」より)

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Posted by ブクログ

クリティカルシンキングで思考の憑き物を落とすというコンセプトの本。
久しぶりにパオロ・マッツァリーノ氏の本を読みましたが、相変わらずの舌鋒の鋭さ、論理の頑健さ、そして事実調査の深度が素晴らしかったです。

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2022年08月09日

Posted by ブクログ

待望の新作

著者は正しそうな常識、いわゆる「思考の憑き物」を、事実をもとにした根拠により落としていく。本書の大半は、クリティカルシンキングの実践例だ。といってもクリティカルシンキングそのものに触れるのは最後だけで、そこがまた粋だなと。
さて、クリティカルシンキングを身につけるためには、別に論理学の基礎的な習得が必要だ。そのための本の紹介もある。クリティカルシンキングにおいて自分を疑うことが必要な条件だが、論理学の習得も必要な条件である。そのための橋渡しをされていてとても助かった。

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2022年01月04日

Posted by ブクログ

私たちは日々多くのことを学び、知識を質の善し悪し関係なく際限なく吸収して、自分という意識や思考の礎の糧となっている。
本著では、クリティカルシンキング(批判的思考)を用いて、自分自身の知識や価値観、視点や思考を批判し疑うようにと気づき促してくれる良書である。本著では、「正しくぶれる」ことも必要であるとし、思考も常に状況や環境、自分が見ている世界の指針に合わせて修正し変化し続けることをすすめている。
私たちの思考は、必ず他人の影響を大きく受けている。自分自身の思考を批判的に分析するには、一度、紙など日記でもメモでもいいので記録するといいだろう。質の良い本を読むのもいいだろう。多くの人と出会い思考を磨くのもいいだろう。だが、クリティカルシンキングの本質は、自発的でかつ、自分の意思で気付くことの意識を常に持っておく必要がある。そうしないと、あなたの善くしようとする思考を悪用し利用しようとする存在に信用や信頼、人生までもが崩れる可能性がある。
質の良い恩師や友人らと出会い、多くのことを学び、社会に出ても多様な価値観から気づき学び、正しく善く生きることが良いだろう。そうすることで、人生は豊かになり視点が多くなり、失敗と反省と修正と行動を繰り返しながら、意識して取り組むと見えてくる世界があるのだ。
本著は現代においても思考の偏りがちな人に向けて気付きと指南してくれる良書である。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

クリティカルシンキングで、思考の憑きもの(屁理屈や論点のすり替えなどが多かった)について一つ一つ考慮し、排除していけるようになろうよ、というコンセプトの本だと捉えました。

しかし著者の感性にわたしが追いつけず、屁理屈をずっと捏ねられてる感じがしてしまい、この評価にしました。(そういうコンセプトの本なので著者は悪くありません)
クリティカルシンキングを学べるかと勘違いし手に取ったのですが、哲学書のようでした。

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2024年01月28日

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