【感想・ネタバレ】ビジャの女王 (1)のレビュー

あらすじ

長崎尚志氏・絶賛!「悔しいが思いつかなかった」

正統派劇画家最右翼・森秀樹渾身の新作。
描くは中世オリエント世界に巻き起こる嵐――
「1258年、モンゴル帝国VSペルシャ+“インド墨家”」!!

西暦1258年、ペルシャ高原の小都市ビジャを、蒙古軍の支隊が包囲した――
世界の半分を制圧した最強騎兵は総数2万、対するビジャの人口はわずか5千人である。
陥落は誰の目にも明らかだった――
モンゴル帝国によるペルシャ侵攻、それに抗う小都市国家「ビジャ」を巡る攻城戦……
彼らが最後の希望を託す伝説の集団「インド墨家」の正体とは!?

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

購入済み

きっぱりした描き方が良い

 異国の風を感じる魅力的な歴史ロマンです。
 会話シーンなどで絵面に変化が少ないのがちょっと気になったりしますが、そこも力の抜きどころが分かってるからこそなのかなと思います。ざっくりとした線の中に勘所を押さえた画力が光っていて、特に動物、馬や豹や鳥や昆虫の描写には惚れ惚れします。
 くどくどと演出したくなりそうな場面をきっぱりと端的に描いていて、その思い切りの良さが「やっぱり長年漫画を描いてきた人ってすごい!」としみじみ思わせてくれます。漫画らしい、話を面白くするための嘘も軽やかに散りばめられている感じで、いい加減というより闊達な印象を受けます。続きが気になる!

#アツい #カッコいい

0
2022年11月06日

購入済み

女性にはキツい描写もある

面白かったです。
女性にはキツい描写もあったけど、戦争と略奪はセットだからそういうことだよなあと。
蒙古軍周辺の歴史ってほとんど知らないので、こういうこともあったのかと新たに知る機会も得られてよかったです。
続きを楽しみにしてます。

0
2022年02月16日

無料版購入済み

個人的にはジファルが好き

森秀樹氏が描いているので
森節とでもいうべき「いつもの」要素がかなり多い

例えば過剰な人体破壊、女性の尊厳を奪うようなエロティシズム、ダイナミズム優先の展開、味方と敵がハッキリし過ぎている、ナレーションで説明する等々
とにかく引き伸ばしが多く思い付きでも描ける事は全て描くと言わんばかりの枝葉の広げぶり
史劇とは思わずに創作時代劇として読む事を勧める
それでも過剰に女性がいたぶられる場面が多いのは変わらないのだけど

蒙古が人を処刑する場合、袋詰めにされた上で騎馬隊の蹄によって踏み殺すのは実在した方法のようなのだが
どうもそれは『貴族が死を賜る場合の名誉ある処刑』であったらしい
侵略者どものやる事は訳が分からん

この作品に推薦文を寄せている長崎尚志氏は
かつて『墨者は消え去っておらず後の青幇を結成した』という設定を実話だと吹聴した作品を書いていた人である
創作上の絵空事だと理解した上で読むならよろしかろう

#ドキドキハラハラ #カッコいい #ダーク

0
2025年06月06日

購入済み

面白いのは認めるが

モンゴル帝国にインド墨家?
まるで「墨攻」みたいだと思ったら、「墨攻」のマンガ版の作画だった人の作品なのね。

話自体は墨攻に似て、すごく面白い。
イマドキあまり見ない劇画調の絵も、この内容なら合うでしょう。

ただね、歴史を舞台にしているならばもっと時代考証をリアルにして欲しい。


まず髪型。
モンゴル人は辮髪の系統であり、モジャモジャ頭や長髪はおかしい。

インド墨家というのも調べたが、やはりそんなものは存在していないし、秦の統一以降、墨家の活動は世界中で確認されていない。

アメダバ=アーメダバードではないかと思われる(地図上の場所も一致)が、そもそもアーメダバードは1411年にこの地を都と定めたアフマド・シャー1世の名前に由来するもの(アフマドの都市=アフマダーバード)であり、この物語より150年以上後に成立した都市。

チンギスハンの孫でモンケとクビライの弟でもあるフレグに、ラジンという息子はいない。

乳香はペルシアでは取れないはず。

ビジャ(架空の都市らしい)の宰相(当然イスラム教徒と思われる)が蠅の王ベルゼブブを知っているのも不思議な話。
ベルゼブブの元となる「バアル・ゼブル」の名はイスラムでも読まれる可能性のある旧約聖書由来だが、「ベルゼブル」の名になるのはキリスト教単独の「新約聖書」から。
これをイスラム教徒が読んでいるはずはないし、異教の邪神の偶像をイスラム教国で破壊せず残しているのもおかしい。

という事で、一見時代考証をきっちりやっているっぽいが、実際はほとんどが架空のもの。
少年マンガなどでは(例えば龍狼伝とか群青戦記など)ならどれだけ改変していても違和感はないが、このリアルなタッチとストーリーでの改変はやはり気になり、大きなマイナス。

ただ、繰り返すけど話自体は面白いですよ。
「国名や情勢など史実を参考にしているけど、基本架空もしくはパラレルワールドの話」として読むなら良いと思います。

ちなみにこの作品、「墨攻」はもちろんのこと、司馬遼太郎のデビュー作「ペルシャの幻術師」の影響も受けているように思える。
ペルシアという舞台、フレグの息子がモンゴル側の将軍として出てくる点、攻められた側の統治者が美しい姫であり、モンゴルの将軍に見初められる点など、共通点が多いです。

#エモい #カッコいい #アガる

1
2022年06月29日

「青年マンガ」ランキング