あらすじ
こんなことで大丈夫なのでしょうか? 日本は果たして、この国際社会におけるプレーヤーの変更に適応していけるのでしょうか? そして経済のルールの変化に適応し、産業資本主義の時代に勝ち得たと同様の成功を、ポスト産業資本主義の時代にも獲得することができるのでしょうか? 私は「日本は今、没落へと向かいつつあるのではないか」という強い危機感を感じています。(序章より)
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Posted by ブクログ
時々、昔読んだ本で、将来の予測や予見を示した本を読み返すようにしています。
この本は15年前、リーマンショックの只中にに書かれたものですが、今振り返ってみても、ミスター円と呼ばれた榊原さんの危機感と示唆に富む内容であったと思います。
当時10-15年後の日本の没落に危機感を感じておられたわけですが、当たっているところと当たっていないところとあると思いますが、概ね予想された展開になりつつあると思います。
一方で、日本の良さや独自の文化を発揮すべき、という点はその通りであったと思うし、それを発揮した個人や組織や企業が世界に認められており、しっかりと活躍しているとも思います。
私自身、前職では外資大手企業にいた事もあり、顧客から、欧米企業と日本企業の違いや課題についてや、中韓の大手が台頭してくる中で日本企業がどうすべきか?という質問を良く受けました。金融面から課題を指摘する事もありましたが、究極的にはやはり日本企業は日本の良さを生かすしか道はない。既に国力としては規模も技術も厳しい状況にある。と言ってきました。その思いは今も変わらず、この本を再読して再認識した点でもあります。多様化したアジア、ある意味(特に日本にとっては)包容力もある巨大なアジア市場において、日本は堂々とその「伝統的な良さ」を貫けばよいと思う。それが独自の強みとなり、強い存在感と影響力を大国に与えると思う。今一度、自分の今後の仕事でも認識したい点でもある。
久々に手に取ってみて良かった。